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金曜日

しつこさには定評があるのでまだ女子沖の話です。
沖田用見合い写真の仕分けを手伝うふりして土方は、最近どうよすっかり朝晩冷え込むようになったよな、と世間話もそこそこに本題へ。「それにしても驚いたよなあ近藤さん総悟があんなこと言いだすなんて」これ以上なくナチュラル。ナチュラルハイ。もうナチュラルがとれてただのハイだけど近藤さんの鈍さはデフォなので問題などないのだ。
「あーねえ、びっくりしたよねえ」
「ったく、あいつの行動はいつも脈絡ってもんがねえんだ」
ははは全くだー笑ってる場合かよフフフゥと和気あいあい、その雰囲気に乗じて「いっそ俺がもらってやるか」なーんてな、と軽く場を慣らしておくだけのつもりだった土方だが。
「お前は男気あるし経済力もあるしなにより二枚目だ、しかし俺に愛娘がいたとしてお前のとこに嫁にはやりたくないな」近藤さんまさかのマジレス。
「…ひどくない?」「だってほら、女性は想うより想われて結婚した方が幸せだっていうし」「…」「だから俺はお妙さんを幸せにする自信はあるんだ。この世の誰よりもお妙さんをあ」「ちょっと用事思い出した」
えっ俺の素敵トーク聞いてくれないの、という言葉を後ろに陣営本部(という名の副長室)に戻ってみれば正座で待ってた沖田は扉が開くなり寄ってきて聞くの。「どうでした」って。
「惚れられてねーのは薄々わかってんでさァ、でもちょっとでも脈あるかどうか確かめたくて」えー?
まじむりっすわー…(俺的にも)とかラフに言い放ちたいのも山々であるが俺にはできない!こんな希望といくばくかの諦めを含んだ目を持つこいつにどう言えと、とちょっとだけ思い悩んで、
「諦めんなよ。」
三秒くらいかかって こく、と頷いた沖田の頭を若干邪な気持ちでなでつける。徐々にタッチの濃度を高めていってアウトラインを見定めるというのも手かもしれない、と閃いたりするのはハンサムガイとして正しいかどうか微妙。
後日。
「…どうすりゃ俺の方向いてくれんだよ」
相変わらず報われぬ恋をする沖田に不毛な恋心を抱いたままの土方は、カッコイイ台詞をひとり呟いた…はずだったのにナイスタイミンギニスト山崎が、副長お茶持ってきましたと言いそびれて背後に立っていたりするのです。
「…聞いた?」「いえ」「聞いたろふざけんな何か言えよ」「副長もようやく俺らのステージに降りてきたんですね」
たぶん明日にはそこかしこに広がる『ここだけの話』だが、あいかわらず沖田のまわりには絶縁体が張り巡らされているに違いないよ。という話。


これで山崎と沖田がくっついたりしたどうしよう。
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