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月曜日

操作忘れてるけどキーボード打つの楽しいな




折り畳みで小話です。




「そういや土方さん誕生日近いじゃねーですか何かほしいもんありやすか」
「ねえよ」
「まあまあ。言うだけ言ってみなせェ」
「いいから集中して運転しろよ」
「俺のドライビングテクニックをもってすりゃ助手席だけ大破させんのもたやすいんですぜ」

口の利き方に気をつけろよ土方ぁ、と歌うように言う。
ご機嫌だ。

「五月生まれのメンツ集めて週末お誕生日会やんですって。近藤さんが声かけといてなっていうんで」
「……へえ」
「お誕生日会とか幼稚園児かよって思いやしたね土方さん。そういう斜に構えた奴ぁ不参加でいいんですぜ別に、みんなを労ってやろうという近藤さんのあっったか~~~いおもいやりを無碍にするなんざ愚のこっちょー、社会ふてきごーしゃってもんでさァ」
「お前それ後で漢字で書いてみろ。あと出ねえとは言ってねーだろ出るよ。参加。」
「へー。んで何かほしいもんありやすか」
「だから、それはねえって」
「もったいぶりやがって」
「いつやんの。土曜?」
「マンデーでさァ」
「そりゃ月曜だろうが。日曜か?」
「そうそれ」
「本当だろうな」
「ほんとほんと」
「お前俺をはめるために別日を教えたりしてねーよな?」

カーステの音が大きくなった、わけではなく沖田の声が消えたのだ。
赤信号。スムーズな停車。
表情が薄いくせどうしてここまでわかりやすいのかこいつは。

「……総悟くん。」
「あ、犬が人間を散歩してやすぜ土方さん」
「お前そんなに俺と二人っきりで誕生日を過ごしたいの?」

しばしの間。
ラジオの時報でかき消される、呪詛みたいな「ばかじゃねえの」の声。

「仕方ねーやつだな小細工して。うん、わかったわかった。かわいいとこあるなあお前」
「二度は言わねェ。死ね土方」
「お、ひさびさに聞いた」

八時間ぶり本日七回目くらい。
今日も今夜もいつもどおりに死んで生まれてを繰り返す。



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