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水曜日

5月になったとたんにさむい


折り畳みで小話です。






「つーわけで今朝、土方さんの首には俺の手形がくっきりと」
「沖田くん」
「へぇ」
「なんで朝から君らの情事の様子を聞かされてんのかな。厄日?」
「勝手にぐっちょんぐっちょんした関係にしねーでもらえやすかきめェ。俺らはいたって普通の上司と部下ですぜ」
「あんまり日常的に首絞めて絞められての職場はないよきっと」
「旦那が世間知らずなだけですぜ」
「おい職歴オバケだよ俺は。俺のレベルだとね職歴包み隠さず書いたらちょっとした曼荼羅みたいになるよ?君よりずっーっと世間ってもん知ってるから」
「旦那ァ」
「なに」
「世間ってなァ幅じゃなく深さなんですぜ」

このぶん殴りたい感じのかわいこちゃんがふふんと得意げに言う。
たぶん理解のある彼くんの受け売りだ。

褒めたたえるとかじゃないけれど、この子のお守りをできるところだけは心の底から偉いと思うよ。






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