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月曜日

毎日毎日寒いんですけどいつ春になるんじゃい。まだ毛布にくるまって寝てるんだぞ!


折り畳みで小話です。女子沖。可憐さがなくてすまない。
「あなたが私の旦那様にちょっかい出した泥棒猫ね?」

背後から罵声を浴びせかけられて、なんだとコノヤローとすぐさま振り向くとそこに女が立っていた。
さらさらの長い髪。眼鏡。そして泣きぼくろが色っぽい。そんな美人が、丸く突き出たお腹を抱えてこっちを睨んでいる。
喫茶店のマスターが言っていた『銀さんの嫁がお産でうんぬん』って言ってた話を思い出す。

「もしかして坂田さんの奥様ですか」
「あら。話が早いわね」
「うわあ・・・・・・」
「うわあ、ってなんなのよ」
「あの、信じて貰えないかもしれませんけどけして奥様を悲しませるようなこたしてねーです。かっこいーなーって思って勝手に好きだっただけなんで・・・告白すらできなかった、し」

向かい合わせのテーブルで座ってお茶を飲んでも、全然いい雰囲気になんてならなかった。
どんなタイプが好きですかって質問に、「一生懸命なコかな」だなんて。
向こうはこっちを商品になるかどうか見極めていただけったんだ。

ため息交じりに、下心アリアリで片足つっこむつもりもない芸能事務所の説明をしてもらったんだということを暴露する。

「ほんとに、奥さんいるってのもわかんなかったし。わかってたら好きになんてならなかった。と思います多分」
「なによ煮え切らないわね。結局よろめいっちゃってんんじゃないのアナタ?」
「・・・うちのねえちゃんも今、赤ちゃん産んだばっかりだから。不倫とか略奪とかぜったいしちゃ駄目だってわかるんです。できない。ほんとうに」

証拠にもなんにもなんない言葉だったけど、奥さんは納得してくれたようだった。

「・・・意外と素直じゃない。興奮して詰って悪かったわね。アナタ、可愛い顔してるんだからすぐに素敵なカレが見つかるわよ」

まあ銀さん程の男はなかなかいないでしょうけどね、と奥さんはようやく笑顔になる。
つられて笑う。ほろ苦くって甘い気持ちが、胸の中をすーっと通っていった。

「あんないい男が初恋だなんて、見る目あるわよ」
「見る目があっても、貰い手がねーです。ぜんぜんモテねーんで」
「やーね度を過ぎた謙遜は嫌われるわよ」

だって唯一自分にコクハクしてきた男といえば、女なら誰でもいいらしいちゃらついた幼馴染だけだし、というしけた話題はさておいて、この場はお開きとなった。
元気な赤ちゃんが生まれるといいな、と清々しい気持ちにひたっていたのもつかの間。

喫茶店のマスターに、あの女性は奥さんでもなんでもなくて、一方的につきまとっているだけのストーカーなのだと聞いた。
人ってのはわかんないもんだな、としみじみ思う。
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