火曜日 ここに書くとサイト収納するのが結構・・・手間だと・・・わかっているのにやってしまうんですね。 そしてなんとか使いやすいようにと思って地味にサイトのレイアウトを変えてみたんですが却って見づらいですかねもしかして。うむー 折り畳みで小話です。 声が似てた。髪の色も、顔の形だって。 「これは呪いなんです」 沖田は紺色のコートを風にはためかせて、ひよこの髪をランプの火のように揺らめかせて、そう宣言した。 「土方さんが、やすやすと幸せになれないように!」 「お前の姉貴はそんなに根性悪くねえだろ」 「あたりまえでしょう」 ふっと、目を伏せた。 沖田はなんだかんだで姉貴のことが、好きだった。 好き、なんて言葉じゃ不足なくらい。崇拝者で、アイドルで、愛と希望の象徴だった。 ぱっと見、よく似た姉妹だったけれど、確かに沖田姉は、その過剰とも言える沖田の憧れと羨望を背負うだけの、器があったように思う。 あるいは、妹からの絶え間ないラブコールによって、元からあった素養(つまり、美しさとか優しさとか)が培養されたのかもしれない。 沖田の理想はあくまでも姉だったので、自分の骨っぽい体つき、笑顔をうまく作れないところ、料理が下手なところ、喧嘩っ早いところ、クチが悪いところなど、姉との相違点を見つけては、いちいち溜息をついていたのだった。 その姉は、いっとき俺と付き合う寸前までいって、諸々の事情で結局、ただの友人のままだった。 彼女の身体があまり丈夫でなかったこと、丁度俺の生活が部活動とバイトで忙しくなったこと、ほかにも細かなアクシデントが重なったこと。 タイミングが合わなかったってことなんだろう。そういうものだ。 沖田は姉がとてもとても好きだった。 それが、まず第一にあった。 「お姉ちゃんなら、どんなんなっても、アンタの幸せを願うに決まってる」 そうだろうと、自惚れでもなんでもなく、そう思う。 「だから、代わりに」 「お前が呪うってのか。俺のことを」 「そう」 ぼろぼろと落ちる涙が、風に舞っていく。 「どうして土方さんは、簡単に忘れたりできるの・・・」 俺だって、姉貴が駄目ならお前でいいやって、そんな簡単な思考回路はしていない。 だけど「好きだ」って言ってしまった。 言わなきゃいけなかったんだ。 幸せにしたくて告げた言葉が、魔女をいっぴき生み出した。 それでも俺には、呪いを解く時間が十分ある。 PR