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流れのままにかたちを変える自分の前髪のせいで見えなかった、まるいまるい電球が昼間の月みたいに眩しくて、直視した次の瞬間目を閉じた。
だけど聴覚は生きている。低く唸る耳鳴りのようなモーター音と、蛇口から落ちる新しい水滴が水面を叩くのが聞こえる。
もういいか。
生ぬるい湯の感触を突き破って、境目に顔を上げる。打ち揚げられた動物。きっと甲羅干し。顎を乗せたクリーム色のバスタブ、ふちのタイルが冷たい。
「ふう」
「ふう、じゃないだろ」
いつもより血色のいい土方さんが、俺の頬に張り付いていた髪の毛を、耳にかけては呆れたような溜息を落とした。指先の感触がこそばゆくて思わずまたたきをする。湯気みたいにわんって反響した笑い声はひとりぶん。なにが面白いんだか、土方さんの爆笑ポイントって時々謎なんだ。
「・・・土方さんがちゃんと湯に浸かれっていったんじゃん」
「肩まで、だ。潜れとは言ってねえ」
「あちィ」
「お前普段はカラスの行水だもんな」
「土方さんは無駄に長湯だよなァ・・・困ったもんでさァ」
「無駄にってなんだ無駄にって」
「根野菜でもあるまいしねェ」
「風呂くらいゆっくりさせろ」
「させるかィ。えい、」
「こら」
奇襲のつもりで水鉄砲、を構えたのにすんでのところで不発に終わる。
ふやけた指先はターゲット土方さんに握られて、そうでなくても蒸気でのぼせそうな体温なのに、わざわざ加熱してくれなくても!
悪い顔がうつって、今度の笑い声はふたりぶん。
どうせ湯ざめすんなら一蓮托生。
我慢できなくなるまでバスルームで、寄り添ってだらけてみましょうか。