木曜日 ご飯にするお風呂にするそれとも・・・の元祖が知りたい。折り畳みで小話です。 屋根の上だ。シャボン玉を飛ばしながら総悟は語る。「だいたいずるいんですよ」長くなりそうならと思って煙草を探すと「禁煙でさァ」と睨まれる。しかたなしにぼーっと突っ立ったまま、びゅうびゅうと吹きすさぶぬるい春風に煽られるがまま。細かい丸い瑠璃色の泡が逃げるように流れていくのを見ている。「俺か」「姉上が。」「ミツバ?」「あんたごときに呼び捨てやり捨てされるほど安くねーです。訂正して」「ミツバさん」「はい。」「やってねーし」「やってりゃあ、まだ、よかったのにさ。」「どっちだよ。なあ、それより」「・・・・・・」「なんだよその視線。あのな、俺は女には優しいんだよ」引き続き総悟は、ぷわーっと細かい泡粒を量産する。まさか都合の悪いことや辻褄の合わないことはすべてこうしてやり過ごすつもりじゃあるまいな。「死人に口なしって言いやすし」「お前な、いくらなんでもひどい侮辱じゃないのかそれは」「俺にとっちゃあろくでもないですが、姉上にとっちゃああんたは間違いなく人生最高の恋人でした。侮辱してんのは土方さん、あんただ」あんたですよ。ようやくこっちを向いた総悟のかおは、長い前髪に隠されてみえやしなかった。そしてさっきまで泡を吐き出していたストローを俺の口に捻じ込む。なあそれより俺は、お前の返事が聞きたかった。 PR