土曜日 「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!」 「ですってよ、ドクター?」 「聞こえてる」 一瞬眉をひそめて、すぐに『仕事』の顔になる土方。 グラスを置くなり、声を張り上げるスタッフへ軽く手を挙げる。 「悪いなせっかくの記念日に。・・・いってくる」 「土方さんのデザートも二人分、残さず頂きますからどうぞごゆっくり」 ~一時間後~ 「いかがでした?」 「なんてことはない、客同士の喧嘩の末に一方が転倒して、軽く脳震盪を起こしただけだ。応急処置だけで充分だろうが大事を取って、あとは救急に引き継いだ」 シャツの襟元を緩める仕草からは疲れがにじみ出ていた。 「溜息ついちゃって」 「そりゃ、溜息も出る。一ヶ月半振りの休暇だぞ?」 「仕事が恋人ですものねェ」 「ばか言え。じゃあ俺が抱きしめてんのは誰だ?」 声をひそめて笑い合う二人。 クラクションも街の喧騒も遠く、この部屋までは届かない。 「一人で退屈したか?」 「・・・夜景を眺めていましたから」 「それはよかった。この後は夜景を眺める暇なんてないからな」 ドサリ。 ★FIN★ 僕の考えたかっこいい土方さんです。 ところでサイトが5周年くらいです。祝。(毎年山崎の誕生日付近に宣言してます) PR