水曜日 中華料理屋の若い店員がガラス張りの実演販売ブースでつまみ食いしている瞬間目が合って、さっと逸らされました。気まずい。 今日はさぶうぇいで注文を間違えられたようです。テイクアウトで頼むもんだから開封してびっくりですよ。 タマネギ抜きのピクルス多めのはずがタマネギ多めのピクルス抜きだった。 先日のどと~るでは指差して注文して復唱した品名もレシート記載の品名も正しかったのに、手渡された紙袋の中の商品が違ってたし・・・なんのキャンペーン中か。 折り畳みで小話です。 公園のベンチはみんなのものだ。 ゴリラと金髪を両隣に従えて、俺の冬の午後はゆっくりまったり過ぎていく。 「いやなんでいんの君ら」 ゴリラの「暇なんだもん」という声にかぶせて金髪が「任務遂行中でさァ!」と言う。 「ああ、そうだった任務任務」 「どっちだよ」 「集中してくだせェ旦那、もう少ししたらうちのスケコマシがここを通りかかりやす。そしたらズドン……とひと思いにやっちまおうじゃないですかィ」 「え?え?」 恐怖・人畜無害そうな顔した金髪の手にはずしりと鈍く輝く散弾銃が・・・というわけでもなく、てっぽうの形の右手があるだけだった。 一方俺の右手にはホットココアの缶がある。 十分ほど前のことだ。 あ、見た事ある顔と思った次の瞬間に缶を握らされて、えっなにくれるのサンキューと深く考えずにプルタブに指を掛けた瞬間から俺の不幸ははじまっていたのだ。貧乏が憎い。ココアうまい。そして「午後から仕事が」なんていうほど流行っていない万事屋稼業、俺の甲斐性のなさには思わず自ら口笛も吹きたくなる。 いやあいい天気だなあとか美女の二人連れ発見とか最近空気清浄機買ったんだよねとかたわいのない話題を連発するむさいゴリラに相槌打って、そのうち手の中の缶も冷え切って。 ぷつりと会話が途切れたときに、ふと隣に目をやれば、まだ金髪は熱心に遠くの一点を見つめている。 「なあ、もういいんじゃないか。トシも大人なんだし放っておこうよ」 「あの野郎が自分で言ったんですぜ、規律を乱すなって。その当の本人が別宅に女囲って昼間っからあっはんうっふんじゃあ周りに示しがつきやせん」 「お友達かもしれないでしょ」 「じゃあ乳放り出した服で腕組んで街練り歩くよか文通でもしてりゃいいんでさァ」 うわあ、と思わず素直な感想をこぼした俺に、いやいやそれって噂に尾ひれがついてるからね、とわたわたするゴリラ。毅然と背筋を伸ばす金髪。 トシってのが、そのスケコマシなんだろう。許せぬ。部下とか規律とか知らんけど同じ生命体として聞き捨てならぬ。・・・ そういやこの二人の名前なんだっけ、と今更ぼんやり考える。 ゴリラは確か局長って呼ばれてた。 金髪は。 「そうご。」 そんな名前だった、とひらめいたら口から飛び出した、この子の名前。 びくっと肩がはねて、隣でじっと固まってた無表情が、ぶわわと耳を赤くする。 「い きなり名前呼ばねーでくだせえよ・・・」 「え。ごめん」 でも呼んだだけでしょなにをそんなに照れるのよ、と追及しようとしたけれど「いやーびっくりした今のそっくりだったなあ!」興奮気味のゴリさんが楽しそうにそんなこと言うから、なんかめんどくさくなった。 そういうのは家でやれ。 冷え切ったココアをずいっと飲み干して、だけどまだここに居座ってんのは純粋な野次馬根性。 PR