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金曜日

入荷できんかったんじゃよーと業者がいうので私はまだ紅桜のDVDを観れていないのであります。


電車でみかけた眼鏡のガリい兄ちゃんの手の甲に11ケタと8ケタ×2行の謎の数字が記してあってマジ素敵でした。かっこいいわ。理系なんだわ。


折り畳みで小話です。
一緒に暮らそうって言った。
断られた。
はっきり口に出して言われたわけじゃないけれどそれがまた痛い。いっそはっきり言ってくれればいいんだ、そういうつもりじゃない、って。

あれから何回か総悟の部屋にいった。
正確には三回。
うやむやにしたくなくって、キスすらしなかった。
それでも探るように手を触れたのは、その最後の三回目のときだ。

飯を食ったあと、とりあえず総悟の横に座ってうしろ髪に指を差し込んだ。
総悟は逃げなかった。けれど、寄ってくるわけでもなく、「この間の話」に言及するわけでもなく。
なかったことになっていた。
それに気付いた瞬間は、さすがに眩暈がした。

俺が黙っても、総悟は黙ったまんま。
(もしかしたらこいつは俺のことを好きでもなんでもなくって俺が付き合いたいって言ったから付き合ってくれてるだけで今こうしてされるがままになってんのも拒否んのがめんどくさいからってだけで)
悪い想像は次の悪い想像を連れてくる。きりがない。適当なところで適当な理由をつけて、帰ることにした。

総悟は驚いた顔をしただけで、引き止めてもくれなかった。

「ごめんな」

顔は見たくなかった。
最後に泣くだなんて、そんなみっともないこと、したくなかった。

「責任取れ、とか言ったのも冗談だから、忘れて。」

ひじかたさん、と呼ぶ声を俺はドアで遮って、駆け出した。
好きだって、言われたこともなかった。
そんなことにすら気付かなかった自分の鈍感さが、恥ずかしくて仕方なかった。
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