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日曜日

シフォンケーキを食べている最中「はちみつがどろどろに溶け残ったうえ、はしばしが焦げてしまっているカステラの切り落としが食べたい」と思いました。
シフォンケーキってのはどうにもこう・・・ひっかかりっつーかアピールが足りない気がする。


折り畳みで小話です。


散らかってるけどどうぞ、という言葉がけして謙遜ではないビルの2階のその部屋は、まるで倉庫のようだった。
ソファ、段ボール、段ボール、テーブル。窓、段ボール、段ボール。そして段ボール。
倉庫兼事務所、というところだろうか。大きさもまちまち、貼ってあるラベルも、色とりどりだ。中身なんてもちろんわからない。

「そんで?なにが知りたいの。なに聞いたら帰ってくれるわけ」

事務所に着いた途端、ますます態度を大きくしたチンピラパーマは、頭をガリガリ掻きながら人をバカにしたような笑みを浮かべる。
先手必勝、腹に隠したジャンプで頬を張ってやろうかと思ったが、まずは会話をしなければならない。
俺は拳をかたく握り、おもむろに切り出す。

「総悟のことだよ」
「そーちゃん?そんなん、おたくのほうが詳しいんじゃないんですかあ」
「はぐらかすな。総悟は、てめえがどういう奴なのか全部知ったうえで付き合ってんのか、って聞いてんだよ」
「えっ。俺ら付き合ってんの?」

腹のジャンプも忘れて、拳を繰り出そうとしたときだった。

「よう銀時」

うしろからの声に振り向けば、不敵に微笑んでいる男が、段ボールの縁から顔をのぞかせていた。
「たかすぎ」と銀パがかすかに呟いたのが聞こえた。彼の名前だろうか。
振り上げた拳は勢いを失って、とりあえず俺の膝の上に戻ってくる。

パーマの様子がおかしい。
さっきまでふんぞり返っていたくせに、金策に喘ぐ町工場の親父のようになっている。

「・・・・・・お前。いつからいたんですか。」
「いちゃまずかったか。やれやれ、お客様にお茶もお出ししねえで、まったく気が利かねえこった」
「あの。ここの従業員の方ですか」

一瞬ぎょっとしたものの、それは単純にいないと思っていたところに人がいたことに対する驚きだった。
俺だって、急ぎの案件だなんだと、会社のソファや床や、あるいはこうして段ボールに泊まり込むことがあるから。

「そんな立派なもんじゃねえよ。こいつの情夫。」
「あーあーあーあー!お前ね!」
「あんたも引っかかったクチ?ろくでもねえだろ、こいつ。昨日は昨日で、未成年としか思えねえかわいいツラした男、ここに連れ込んでたし」
「人聞きの悪いこと言うんじゃねーよ、あーもうお前絡むとややこしくなるからわざわざ事務所連れてきたのによお」
「嘘は言ってねえだろ。ずいぶんかわいがってやってたじゃねえか。なあ?」

情夫?連れ込む?かわいがる?
ぐるぐると回る単語にせきたてられるように、立ち上がった。
胸倉をつかむ。パーマ野郎の派手な紫のサテン生地が、俺の拳の形に歪んだ。

「わかった話す!ちゃんと話すから落ち着けって!つーか怒りっぽすぎですよおニーさん!」
「殴っとけ殴っとけー」
「高杉ィィィィ」

ああなんだか殴ってもぜんぜん効き目なさそう。
ついさっき、車に飛び込んで喚いた様子を思い出す。ひどく痛がるふりをして、実のところ全然平気なんだ。そうして今までずっと、うまくやりすごしてきたんだこいつは。

急にむなしくなった瞬間に、俺の携帯電話が震えた。
総悟からの着信だった。

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