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「あいつは知ってんのか」
殴って殴り返されて、右手と左頬が痛い。
見物人が集まってきたので仕方なく場所を変えることにした。
乗ってきた車に押し込んで尋問しようかなんて、一瞬頭をよぎった案は自らすぐに却下する。こんなうさんくさい人物と車中で二人っきりだなんて耐えられない。
「まあ、こみいった話になるんで。この続きはうちの事務所でドウデスカ」
「いやだね。てめえのテリトリーに足踏み入れるなんてあぶねえ真似できっかよ。虎の毛皮のある応接間でパンチパーマの集団ひとりひとりに土下座しながら根性焼きされんだろうが」
「はァ?おたくVシネでも見たの?今時そんなんないよ。滅多に。」
滅多にってなんだ、と口をはさむ間もなく機関銃のように銀パはまくしたてる。
「あのねえ俺このへんでちょっと便利屋さんみたいな仕事してるわけ。わりと強面で通ってるわけ。それがプライベートなしかもナイーブでセンシチブ?な話をベラベラ大声でされンのはうちの評判に関わってきちゃうわけ。ティーピーオ~っての?おニイさんもそこんとこ察してくれますぅ?」
ファミレスにピンクのミニスカで登場した野郎がどの口で言うか。
殴るか反論するか迷って結局どちらも諦めた。どっちをしても長引きそうだ、と思ったから。
「どうしてもここで話せって言うなら、俺はいちもくさんに逃げるだけだね」つん、と顎を上に向けたにくたらしいほどの女性的なしぐさでそう突っぱねた銀パに、俺はしかたなしに頷いた。
座席の下から取り出して、シャツの中にジャンプを忍ばせる。
数ヶ月前に総悟が置いていったやつだ。
俺の車をゴミ箱にすんなちゃんと持ち帰れ、とはたいた俺に、「俺だと思って大事にしてくだせえ」とかなんとか適当なことを言っていたのを思い出して、微妙な気分になってしまった。
しかし背に腹は代えられない、俺の感情の機微などひとまず置いておいて、防具代わりとなってもらおう。
俺を守ってくれ総悟。
そう呟いて、腹に密着したジャンプを撫でる姿は我ながら少し悲しい。