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火曜日

くしゃみが止まらないではないか。
あまりにピンボケでなにがなんだかわからねーだろう、ということでMAISENのメンチカツサンドの写真は下げちゃったわけですが、ほんとおいしいですアレ。デパ地下およびスーパーでぜひお買い求めいただきたい一品。

折り畳みで小話です。



付き合ってもいいかだなんて俺に聞くまでもなくどうせやることやっちゃってんだろとあらぬ想像を繰り広げていたら、人を撥ねた。

心なしかボンネットがへこんでしまった車から降りる。
アスファルトの上には、陸に挙げられた伊勢エビのようにぴちぴちと、元気よくのたうち回っているのが一人。

「痛ええよおおおお折れた!骨、ぜってえ折れたあああ!どうしてくれんだよおおおお!?ああん?」
「え、あの大丈夫ですか。」
「大丈夫なわけねえだろうよおおどう落とし前つけてくれんだてめええよおお!!あーやっべ!やっべ腕時計も壊れちまったよおブルガリなのによおお」

急に冷静になった。
白いスーツの胸元には般若の刺繍、サテンの紫色のシャツ、そして金ネックレス。
その出で立ちはどう好意的に見繕っても、結婚式にお呼ばれしたチンピラAだ。
穿った見方をすれば当たり屋さんだ。当然俺の天秤はこっちに傾いている。

しかし故意に飛び出したとは言え、うちどころが悪ければ怪我もするかもしれない。
プロか駆け出しなのかは判断に苦しむところだが、こんなあからさまな演技でカモを引こうとするんだから、神経の太さだけはプロ並みだと認めざるを得ない。

「すぐに救急車と警察を・・・ん?」

せいぜい善良ぶって気遣ってみたが、なにか違和感があることに気付く。どうも、見覚えがあるような、この顔。
俺がけげんな表情に変わるのと同時のタイミングだった。
エビ男は、突然しゃきりと起立したかと思うと、俺に背を向けた。ぴしりと伸びた指先は、さよならの形をしている。

「・・・・・・あ。ええとボク用事を思い出したんで。おニイさん今度は気をつけてネ」
「あの、どっかで会ったことあります?」
「やーねェ調子乗ってナンパですかあ?余裕ぶっこいてくれちゃってんじゃないの僕ちゃ~ん。ああ?」
「ちょお待てや、てめえ、パ」
「まあまあまあ、落ち着いてよ」

落ち着いていられるか。
化粧こそしていない、ピンクのスカートこそ、ヒールの靴こそ身につけていないがその顔は紛れもなく。

「てめえパー子さんじゃなかったのかよ」

胸倉をつかんで詰めよれば、彼女は(元カノジョというべきか)オーウと肩をすくめる。
とりあえず殴る、だなんて野蛮人の発想だろうか。通行人に評価を求める前にとりあえず殴った。
ほらみろお前は見る目がないんだ、とここにはいない大馬鹿者の顔を浮かべて場違いに、俺は得意げな気分になる。

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