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水曜日

「土方さんの好きにして」と「総悟くち開けろ」を併用すればあるいは・・・!!と、常に考えているんだ。
折り畳みで小話です。


「子どもってのはぬくいし柔らかいしかわいいよなあ」

二十歳そこそこ、髪を短く切りたてだった近藤さんがそんなことをいったとき俺は、「そうでもねえだろ」と否定した。
だって、手指も頭も冷たかったし、とっくに身体はあちこち筋張ってたし(さらにサラシや包帯でがちがちに固めて)、かわいくない顔ばかりを見せていたのだ、あいつは。
あいつというのは、当時の俺にとっての「子ども」代表、総悟のこと。

近藤さんはわざとらしく声を顰めて俺にいった。
「怒られそうだからひみつだけど、猫とか、犬とか、そういうのに似てる、あの頭は」
「じゃあ猫とか犬触りゃあいいじゃねえか」
「ううん、伝わりにくいだろうが、手の感触だけじゃないんだよ。このちっさい頭で大人と同じように考えてるんだなあ、て思うとしみじみと感心してしまう」
「父性のようなものか」
「そういうものかもな」

その話を忘れる間もないその日の夕方、ちょうどその頭を発見した。
本体はごてんと横に転がって、せっかく丈を詰めてもらった制服に皺をつくりながらこんこんと眠っていた。
またとないチャンス、俺は周囲を見回して誰の気配もないことを確認すると、近寄って、覗きこんで、手を、伸ばした。

ああたぶん、俺の人生がどこからかやり直せるなら。
多くは望まないからとりあえず、あの瞬間から。

ゆるく開いた唇に指を差しいれたのは、いっときのあやまちとしか言いようがない。

あれ以来だ。
俺の手持ちにおわす性癖。このごろなんて父性や理性を飲み込んで、懐柔しようとしている。だめだいやだまずいって。

「かわいいよなあ?」

近藤さんの声がふとした時によみがえる。
たとえば、こうして頭をふあふあと撫でている時。
さて。
それはどうかな。
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