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水曜日

先日カラオケで相関図を辿る遊びをやっていました。
ホテイを入れたらイマイミキ、マイラバ入れたらヒトトという遊びさ。たしか一番続いたのはコムロファミリー周辺でした。数の多さを考えれば火を見るより明らかってものですがね。


折り畳みで小話です。

「土方さんちはねえ、大家族なんだ」
「へえ」

ととととと刻むリズムは軽やかで、ほんとはただまな板を叩いてるだけなんじゃないのって疑った俺はすなおに心の中でスミマセン、でした。
うしろからそっと覗きこんだボールの中には次々と千切りキャベツが積まれていく。

「なんだか見えませんねえ。土方先輩って一人っ子・・・いや、弟か妹いてもおかしくないですけど、わいわいと団欒してるのってちょっと想像すると笑えるっていうか」
「だよなあ」
「でもたぶん土方先輩に似てるんなら美形でしょうねえ」
「ん。血ぃ繋がってないのが十人はいるみたい」
「はー・・・」

「それは大変ですね」という可もなく不可もなくな感想と「だから十四郎っていうんですね」というのるかそるか微妙な感想とを天秤にかけている俺の思考を遮ったのは沖田さんの一言で。

「俺が山崎に、『遠い親戚』って紹介されてるのと、同じようなもん」
「え」
「あ、意外と驚かない?」
「いや、ええと、そういうのなんですか?てか言っちゃっていいんですかって・・・ええええ」
「・・・ちょっとすっとした」

気がつけばまな板の上はすでに空で、千切りがボールの中に納まっている。
沖田さんがぎらつく包丁に目を細めるのに内心ひやひやしながら俺は、あたまのどこかで「やっぱりな」なんて思ってる。
『遠い親戚』ってのはこんなに親しく目と目で会話したりするもんなんですか?という俺のここ数カ月の疑問はここでようやく事実に昇華したわけだ。

「じゃあ山崎そろそろ飯食いに行こ」
「え?そのキャベツは違うんですか」
「これは『おにいちゃん』の夕飯に決まってんだろ・・・あ、帰ってきた」

ほんとうだ、鍵を回す音がする。
耳がいいなと感心している俺の横を、こんもりと盛られたキャベツをボールごと抱えた沖田さんが通り過ぎた。

「ただい・・・」
「おかえりなさい、『おにいちゃん』!」

絶句する土方先輩はきっとその一言で、数々の悪事を自動的に猛省するんだろう。
遠目でも顔を白くしていてちょっとかわいそう、かもしれない。

「残さず食べてくだせェよ。・・・マヨネーズかけたら殺しやすから」

こんな子供に。なんて言ったら沖田さんには殴られるにきまってるけど。
「ちょっとは我慢を覚えなせェよ」なんて年寄りじみた台詞を言わせちゃう方が世間的には悪だと思うから、俺は。
正義の味方のふりをして、楽しい外食へとなだれこむのだ。
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