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木曜日

朝起きてもしもこの腕が使い物にならなくなっていたらラケットを咥えて試合に臨めばいいな。(なんかこのあいだテニプリで桃先輩がそんなふうにがんばっていた)
ちなみにテニスなぞ一秒たりともプレイしたことはないし明日は普通に仕事です。普通の仕事です。


折り畳みで小話です。
手術室の扉の上に点った四角いあかりの残像は、まぶたの裏まで追ってくる。

「代わってやりたい」

俺が放り投げた言葉は、総悟の視線を何秒間か引きとめた、だけだった。
すぐにまた、抱えた膝の中に、その丸い頭は埋まってしまう。

「・・・とか、言うなよな」
「言いやせんよ」
「そうか?」
「信じて待つしかないんです、こういうのは」

ごめん、なんて。
いうのはきっと間違ってる。だけど咄嗟に口をつきそうになった。

近藤さんが倒れたという報せはあまりに突然だった。
タチの悪い、出来の悪い冗談だと思った。
なんせ数時間前に一緒に昼飯を食って、例のキャバクラでの失敗談を聞かされて、じゃあ行ってくるよなんて軽く手を振って出かけた様子はいつもとなんら変わりなく、前兆なんてまったくなかったから。

「でも」

ぼうっとしていて聞き流すところだった。
総悟は、まだぎゅうと膝を丸めたままで。

「代われるもんなら、代わりたい・・・」

涙を含んだ声だった。
つられてぐうっとこみあげてきた感情を押さえるために俺は、深く息を吐いた。
少し冷静になる。が、すぐにまたそれを忘れる。
総悟に「だいじょうぶだから」と気休めを言ってあげることもせず、固い長椅子の上に腰をおろしているだけ。

不安と焦りとたまに混じる無気力とで、おかしくなりそうだった。
双子のように感情をわけあって、俺と総悟はひたすら扉が開くのを待つ。
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