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水曜日

というわけで沖田君18歳おめでとうございました。
え、まだ7月8日ですよ知ってますよ?
私はひとの誕生日をおそろしいほどに覚えられませんが、沖田君の誕生日だけは・・・ええと・・・実は毎年6日なのか9日なのかわかんなくなるんですよねHEY!バカですか!うん。(たぶんどっちも丸っこい数字だから混乱するんだと思う)


折り畳みで小話です。こっそり更新したりもしています。
冷蔵庫にちょこんとお嬢さんめかした正方形が隠れていた。
白い冷気が逃げていくのを頬でそよそよ感じながら凝視しているとそこに、ご丁寧に黒いインキで名前を書いてあったから、もはや。
かどわかすには躊躇などなく。



「俺でさァ」
『・・・どちらのバカだ』

なにしてんのお前、て気分を出すためにわざわざ屯所の外から掛けてやっったていうのにのほほんとしやがって土方の野郎、アンタの平穏をぶちやぶってやるぜと俺は今、もえているのだたぶん。

「土方さんのー、大事なモンを預かっていやす」
『へえ。ところでお前さ、再放送はじまるけどいいのかよせっかく早番だったのに』
「それ予約してるんで変にいじんねェでくだせェ、じゃなく。大事なモンを預かっているっつってんだろィ」
『だから、何をだよ』
「アンタが大事に冷やしてた冷蔵庫の中のケーキ」

と疑わしきもの。
保冷剤が入ってるせいか、このぬるい夕陽の中を数十分ふらふらしたっていうのにまだひんやりと冷たいままだ。
“土方の。さわるな特に沖田”とかデカデカ書かれたせいで、せっかくのぴかぴかの箱が駅前の掲示板みたくなっている。土方さんは美的感覚ってものが決定的に欠けてんだ。

「かえしてほしくば身代金を用意しなせェ。そうすりゃ夕食前のおやつにすんのだけは勘弁してやるぜィ」
『お前ってホント・・・』
「情に訴えようとしたって無駄でさァ」
『きもちいいくらいのバカだよな』
「なんでィ」
『開けてみな、それ』

空白を電波に乗せて数十秒。
勧められるとやりぬくい。手を伸ばして引っ込めてと二度三度と繰り返していたら、まるで一部始終を見ていたかのように土方さんが、噴き出すから。
わざと包装紙を、びりっびりにして開けてみた。

「・・・あ?」

爆笑している電話の向こう。

『ああやって書いたら、絶対お前引っ掛かると思ったんだよ』
「・・・アンタ性格悪ィですぜ」
『お前に影響されたんだな、あーやべェせいぜい気をつけとくわ』
「もう切る」
『おー。さっさと帰ってこい。さもなくば逆探知する』

ばちんと切って静かになった携帯電話はポケットの中に放り込んだ。
俺は今頃おりこうに録画されているはずの、古めかしいメロドラマの先週号のあらすじを、思い出していた。
クルマのトランクを開けると溢れんばかりの薔薇が押し込んである系の。俺はどっちかっていうと死体が入っているほうがリアリティがあるじゃんっていったのに、土方さんには真っ向否定された、先週の今頃の記憶。

箱を覗きこむと、白いクリームにチョコレートの茶色で、俺の名前とごていねいに『18さいおめでとう』だなんてひらがなで、書いてあって。

自首しにいかなきゃ。
たぶん今なら、まちがいなくつかまえられる。
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