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月曜日

ひたすら沖田のことを考えていればいずれ土方の揚げ足取りにかまけている暇なんてなくなるんじゃないかな。という美しい結論にたどり着き、ようやく落ち着きました。たぶん土曜日に一生懸命土方の毒出しをしたのがよかったんだと思います。(べ、別にそれほどひどいことは言ってない・・・)


しかし重力ピエ/ロとてもいい話でしたわー・・・
原作の雰囲気を壊さず、それでいてまた違った趣がある。兄弟かわいいよ兄弟。


リハビリのように折り畳みで小話です。 人の夢の話ほどつまらないものはない、という常識をまさか知らないわけではあるまいに沖田は、このところ逐一、どんな夢を見たのだと朝食の席に着くなり口を開くのだ。
相手になるのは大抵土方、いや数えて五回のうち五回がぜんぶ、不機嫌そうな顔をした寝起きの土方だ。
はたして。土方が聞き手として素晴らしいかといえば甚だ疑問である。
なんせ、ひたすら米を箸で運びながらぐむぐむと口元を動かしつつ、相槌とは表現しがたい顎の動きがせいぜいで、「へえ」とも「それで」とも挟みやしない。

まわりから見ればそれは、まるで一方的に沖田がちゅんちゅん喚き散らす雀であり、土方はうるさげに雨戸を閉める家主、のようにすら見える。
(ああ見えて隊長は人見知りだし、旧知の副長くらいしか気安く話せる人間がいないのだろうに気の毒な)
皆それぞれ、手元の飯を掻き込みつつそう思っていた。
しかしまさか、「もっとちゃんと姿勢を正して聞いた方がよろしいのではないですか」と進言する者などいない。なんといっても沖田は年少者であるし、土方は上から数えて二番目の役職でしかも気さくとは言い難い人柄である。
(もし明日)
だが冷血漢ばかり揃ったわけでなし。
(もし明日もああしてすげなくあしらわれているようなら、俺が話し相手になってやろう)
小さな決意がそこここに芽生え、その日の食堂は優しさに満ちていた。



しかし次の朝、沖田は食堂に現れなかった。
黒い頭と茶色い頭の二人並んでいたその席には、土方が一人ゆうゆうと、米粒を茶碗から拾っているだけである。
(おや)
沖田はどうしたのだろう、とあちこちで気付いたものの、まさか飯の時間に点呼など取らない、二日酔いや勤務の割り当てで外す者もいる。
まさか聞けない。わざわざ土方に話をふって、喧嘩でもしていたらどうする?沖田が冗談で済まない悪戯をしかけて、土方が青筋を立ててがなっている光景は、さして珍しくもないことだ。
ううん、だが、と強面どもがあちこちで悶々としていた時だった。
「おや沖田隊長、寝過したんですかねえ。起こしてきましょうか」
さらりと、食堂に現れた山崎がそう尋ねた。
おうおうよく言った、内心拍手喝采で、食堂中の耳がそこに集中した。
土方はなんでもないように言う。
「寝せとけ」
ええ?とこれまた一斉に、聞いている者は首をかしげた。
決まっている、起きろバカ、寝汚えなまったく・・・そんな数々の沖田に対するお小言が、鮮やかに思い起こされたものだから。
「いいんですか?今日はオフですっけ、隊長」
「非番にしておいた。あのバカここ数日眠れなかったみてえだからな。さっきようやく寝ついたんだ」
「ああ、たしかに最近、ちょっとお顔の色が悪いとは思っていましたが・・・」
「あてつけがましく夢の話まで作って。俺が接待接待で相手してやらねえとすぐそれだ、碌でもないことばかり覚えやがる・・・」

聞かれていると思っていないのか土方は、それからもぼそぼそと沖田の生活態度について、愚痴ともなんともつかない話を続けた。
迂闊にも食堂に残っていた者たちは、「沖田はゆうべ土方に手を握ってもらって眠ったらしい」という情報まで知ってしまって、やってらんねえなあなんか損した、なぜだか無性に腹が立つ・・・と溜息をついたのだった。
まだ布団の中ですうすうと寝息を立てている沖田だけが平和だった。
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