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木曜日

ああーなんかもう、はいはいはい
日記ぜんぶきえた

折り畳みでなげやりに小話です。銀沖じゃないです。



「旦那じゃねえですか」
たのしげな声に呼び止められて振り向くと、おなじみ一番隊隊長が、コンビニの蛍光灯のあかりを背負って、ハニーブラウンのサラサラヘアーを無駄に輝かせていた。
呑気に手なぞ降っているもんだから俺もつられてつい、ひらひら指先を泳がせる。
「こんな時間に買い出し?未青年は帰って寝なさいよ」
「へえ。残念ながら今起きたところでして、これからおひさまが高くなるまでせっせと稼がにゃあならねんです」
「アラま」
たしかに、寝巻に上掛けをはおって出てきただけの俺と違ってこの子は、あの黒い制服をしっかり着こんでいた。
ちゃらんと腰の刀の鍔が鳴る。
まるでお醤油を買いに行くようにこの子は、「ちょっとテロリストを斬りに」行けちゃうんだろう。
「不健康だなあ」
「こんな時間にビールとぜんざい買ってる旦那に言われたくねえなあ」
「なに見てたの?エッチー」
「うしろに並んでたもんで」
「そういうのは見て見ぬふりするもんよ。どうすんの俺がゴムとかエロ本とか買ってたら」
「そりゃあ全力で声掛けさせてもらいやすね」
「おいおいおい」
「だってそんな楽しいネタ素通りできねえ。なにぶんメンタルがガキなもんで許してくだせえ」
ころころ笑うのは深夜だから、それとも寝起きだから?
「ああもう俺、行かねえと。これ二個買ったんで、旦那にも」
そうして俺のてのひらに、新しチロルをひとつ、握らせた。

不健康で不健全だと俺が心を痛めるのはおかどちがいなのかも。
振り返らず駆けてった背中は、迷いがなくて俺にはいっそ、眩しいくらい。
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