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水曜日

寒いせいなのか鼻炎のせいなのか花粉症なのか耳鼻咽喉関係がもれなくつらいです。
鼻栓を勧められましたがまだちょっと色々踏みきれない。

逃避しています。折り畳みで小話です。
「そーごぉ、そうごくーん」
「・・・」
「そーうごー。おーい」
「・・・」
「どこだ出て来やがれ綿毛太郎」
「誰が綿毛太郎でィ」
「そこか」
「っ!?」

みいいいいいつぅぅけたァァ、と溢れかえる喜びを隠しもせずに振り返ったら逆毛を立てるけものが箪笥の上でびくりと震えるのが見えた。

「逃げ切れると思ったのかこの六畳八畳十二畳バストイレ別の賃貸住宅でよぉ」

ちなみに庭付き池付きだがとくに活用はしていない。

「ひきょうでさァ」
「敵前逃亡する奴に言われたかねェなあ」
「逃げたんじゃねえやアレだバードウォッチングってやつでィ」
「ふん。残念だったなそれは室内で出来るレジャーじゃねえんだよバーカ!日本語で言えば鳥観察だ!」
「んだとォ!バカって言ったほうがバーカ!土方のバーカ!すずめとカラスは見えやしたぁぁぁ」
「ガラス越しにチラ見してもいいっつーなら野鳥の会はいらねえんだよ・・・ハイ容疑者拘束!逮捕!」
「ふとうたいほ!ふとうたいほだ!離しやがれィ、だれかー!だれかたすけてぇぇぇ」
「おうおう、イキのいいことで・・・ふ、だがかわいそうにな誰も助けになんか来ねえよ!観念するんだな」
「ふみゅっ」

首根っこを捕まえて更に腰回りをしっかり固定。さながらチャイルドシートな俺。
ようやく観念したけものが生意気にもがくりと項垂れ苦渋に満ちた表情ってやつを作るから一瞬心が震えて、いや違うな、ここは流すところだなと思い直した。

冬毛も抜ける季節です。

「なんでそんな嫌がるんだよ」
「きもちわりーんでさァぞくぞくして」
「そんなもんか」
「ううー」

しっぽのブラッシングは大の苦手だとのこと。
だって放っておいてどうする。ふさふさ、がぼさぼさになっちまうじゃねえの。

「できたぞ」
「・・・・・・」

せっかく毛艶つやつやに仕上げてやったのにふてくされているから、毛玉とまるく輝くしっぽの生物を残して無言のまま台所へと引っ込んだ。
今日のおやつは食パンの耳揚げたやつに砂糖まぶしたやつ。
のこのこ現れたいやしんぼうときたら、すーぐ「土方さんは見どころがある男かもしれやせん」なんて調子いいこと言うから呆れる。
ほめたって晩飯のおかずは増えません。







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