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月曜日

真木兵部やっべもえる。

折り畳みで小話ですー
あんまりまごついているから、奪ってスカーフを結んでやっただけだ。
それだけ。なのに急転直下、腕の中におさまってた総悟が、だんまりを決め込んで俺の問いかけにうんともすんとも答えなくなったので、あれこれ譲歩してそのおわり、溜息と一緒に。
「キスしてやるから」
耳元に吹き込んだ一言はてきめんだったらしい。
雪原のオコジョみたく機敏に振りかえって、そのくちびるは動いただけで声にならなかったけれど、『しんじらんねえ』って言った。
俺はこいつを怒らせるのがとても上手。


「そーうーごー」
「・・・・・・」
「いつまで怒ってんだよ。いい加減にしろよ」
「土方さんとは会話したくありやせん」
「お。やっと喋った」
「アンタに言ったんじゃねえよ死ね。ひとりごとでィ」
「俺もひとりごとだよ」
「ひとりごとに返事すんじゃねえや」
「埒が明かねぇ。いいからもう、俺が悪かったから機嫌直せや」
「ふうん。キスしてくれんですか」
「ん。」
「してほしいなんて頼んでねえ」
言いだしておいて何だよコラ、って返す前に思い出して引っ込める。
これは俺への意趣返し。
「どうせアンタは、俺がまた癇癪起こしたってくらいにしか思ってないんだろ」
「・・・んなこと」
「図星だろィ。俺はね土方さん、アンタが思ってるよりずっと大人なんでさァ。なんだって一人でできるのに、いちいち構ってくんのやめてくだせェ」
俺の保護者面が気に障るんだと、総悟はけんけんと吠えるばかり。
事態の収束を図りたい俺。
だって週末だし、そろそろ寝る時間だし。
「わかった。じゃあこうしよう。今後俺は、お前に保護者面なんてしない。誓って余計な世話は焼かねえ。約束する」
「言いやしたね。破ったらアタマ丸刈りにしやすからね」
ちなみにこれは、最近の屯所での流行語。
ほんとにやるかどうかは別だけど。
「んじゃ、寝るか」
時刻はちょうど午前0時。
おもむろに絡めた手の向こう、総悟が驚愕の表情で俺を見上げている。
「なにこの手。約束はどうしたんでィ土方」
「ベッドに誘うのは保護者じゃねえだろ」
「トラ刈り・・・」
まだぶつくさ呟くその口を塞ぐと、総悟は不満げに、「そんなんじゃ足りない」と顔をしかめた。
なるほど、たしかに。
キスくらいじゃこいつのご機嫌はとれない。
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