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水曜日

こないだ土方さんが鎖ブチブチーってやってたシーンにはコテコテのアニソンが似合うと思うんですよね・・・
ちょっと90年代なやつ。TMNとかTW●‐MIXとかの打ち込み系?って言うんですかねあれ。シンセサイザー二台使っちゃうよォ~みたいなやつ。


折り畳みで脈絡なく小話を。

「たいしたことなくって良かったなあ」
快活な笑顔とよく通る大声を振りまいて、近藤さんはなぜだかハイ。常にナチュラル・ハイなんだけど。
「近藤さぁんひとりで歩けやすぜ俺」
ちょっと不機嫌そうな声色が、ゆっくりの歩みのリズムに揺すられつつも主張する。
近藤さんのうしろに隠れた本日の軽傷一名。
「なーに言ってんだよ総悟。足首なんてバーンと腫れちまってたじゃねえか。いくら先生に湿布貼ってもらったからって過信はいけねえ。ただの捻挫だって言ってもな、大事をとるに越したことねえんだよ」
「近藤さんはこう言ってくれてるけどな、優しさにつけこむんじゃねえぞ総悟。てめえみてーな図体でかいの四六時中しょってたら近藤さんだって腰ゆわすだろうし」
「いやいや、総悟の一人や二人大丈夫だってトシ。もぉ~ん年寄り扱いしないでよぉッ心配症なんだからーん」
「らーん」
「楽しそうじゃねーか。つか総悟、元気そうじゃねーかお前ほんとに大丈夫なら降りろや誰がお前の荷物持ってると思ってんだ」
「たった今一歩も歩けねーことに決まりやした。つべこべ言わずに土方さんはせっせと下僕のように使命をこなしなせェ」
「あーあーそういう態度なわけだ!知らねーからなお前の上着と刀だけここに捨ててってもいいんだからな」
「やれるもんならやってみろィ。ただし明日の日の出を拝めると思うな土方よ」
「はーいはい喧嘩しなーい。トシもね、総悟の面倒みたさに血が騒いでるのかもしれないけど今日くらい俺に任せてよ」
「いやおかしいだろそれ」
「近藤さんは人が良すぎですぜ。この野郎はさっきから隙あらば自分がおんぶして貰おうとこのベストプレイスを虎視眈々と狙ってるだけでさァ」
「んなことすっかアホ」
「はいはい。わかったわかった」
にこにこにこにこ。
口元から目元から、近藤さんのご機嫌なのがだだ漏れで、思わず総悟に掴みかかろうとしていた腕も止まった。
背中にずしりと子泣き爺を背負って、そりゃあよたついてるわけではないけれど、いつもより歩きにくいだろうに。
更には例のライフワーク・ストーキングも断念せざるを得ないという状況。
(でも、ま)
わからなくもない。
なぜなら俺の頭の片隅にも、いつのまにか遠い風景が浮かんでいたから。
ふいに喉の奥が狭く、なるような。
どつき損ねた悪餓鬼もそれはたぶん同じだった。頭が傾いだのが見えた。
「・・・近藤さんの匂いがしやす」
「えっナニ俺って臭い?加齢臭ってやつ?」
「心配いりやせんぜ近藤さんは十代の頃からこの匂いでさァ」
「なんだよかった」
「いいのかよ」
砂利を蹴る足音が夕暮れに響く。
曲がり角を曲がっても、ただいまを言うにはまだ遠い。
それまで延々と、くだらない話ばかりを絶え間なく。
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