金曜日 折り畳みで小話を! とにかく、やらかいのは知ってる。 恥じらって頬を染めてー、とかうるんだ目で見上げてー、とかってのは皆無。 手を繋いだこともなくって、もちろんベッドまで進んでもいなくって、そういや舌を入れたこともないけれど、きっと今がいちばん楽しい時期のはず。 はずなんだよ。 「なあ総悟」 「なんです」 「もう十三回くらいしてるよな」 「そうですっけ」 「してるんだよ。なのになんで、」 毎回毎回はじめてみたいな顔をすんの。 手招きして、目の前で『きをつけ』をさせて、「なんですかィ」「キスすんだよ」「はあ」・・・繰り返し。繰り返し繰り返し。リピートアフタミー?無限回廊か。別に出会いがしらに俺に飛び付けとは言わないから、せめてハニカミのひとつくらい。 「お前は全然協力的じゃない」 「やだなあ」 「は?」 「そーいうんは、言ってくれねえと。」 そして総悟は。 「屈んでくだせェ土方さん」そう言うから「なんでだよ」って聞くわな。 「キスしたいからにきまってんでしょ」 あ、そうですか。 そんでもって、ちょっとばかり首に腕回したりなんかして、数秒後に顔を離したとき、こいつはいけしゃあしゃあとこう言った。 「やっぱされるよりする方が気持ちいい」 相変わらず、くっつけるだけの簡素様式だったけど、まあ勘弁してやるよ俺は、年長の余裕も見せつけつつな。 「したい」って言われたことに浮かれてんだ。 キスのあと、離れる瞬間ぱちぱちぱちって数回瞬きをするクセが、ほんとはちょっと、気に入ってる。 PR