木曜日 折り畳みで。 女子。 窓辺でうとうととしているか、そうでなければ縁側で丸くなって寝ているか。 おや今日は目を覚ましていると思えば、冗談ともおとぎ話ともつかないような、およそ現実とは程遠いおしゃべりを披露する。そのたびに、呆れた顔で土方は、耳を傾けてやらねばならない。そういうことになっていた。 三つの時から知っている。 沖田という生き物は、十を越え、十三を数えても一向に大人びるということがなかったので、このまま兎の仔のように、文鳥のように、成長したとは言ってものらりくらりと誤魔化して、たいした変化もないままに、成人と呼ばれるものになるのではないか、と土方は思っていた。 それが突然、嫁入りすると言いだした。 「冗談だろう」 「冗談なら、」 さて。 「冗談なら、どうしますか。」 紅を引いた唇が、震えて端をかたく結んだ。 そうしてその日はそれきりで、沖田は顔も上げずそっと格子窓を引き、部屋の中へと隠れてしまった。 謎かけなのか、根も葉もない戯言なのか。 まともに取り合っていたら身が持たないと、知っていたけれどこれは、ほんとうの話なのだろうと、土方には判っていた。 人のものになる。 誰か知らない男のものになる。 そこらじゅうで猫の子のようにくうくう寝息を立てて、いまだに蜻蛉の目を回して喜んでいるような子供なのに? おかしかった。 まるでちぐはぐで、気を抜くと大声で笑ってしまいそうな一方で、憤りに胸の奥を揺さぶられていた。 (そうか、あれは女だった。) 目を閉じると、十数年の幼い顔よりも鮮明に、つい先程の薄い唇が目に浮かぶ。 PR