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「人が来ますよ」
「うん」
「ばかだなァ」
相変わらず酒弱ぇんですね、煙草くせえから離れろよ、あんたこういうキャラじゃねえでしょう。
気がつけば思いつく限りの文句は言い尽くしてしまって、笑ってた顔もだんだん強張ってって、もうホント言うとちょっと逃げたかった。
面倒なことになりそうだと、告げていたのは本能ではなく記憶だった。
「俺だって、どうしようもないときがあんだよ」
「土方さんはいつだってどうしようもねえでしょう」
耳元に前髪が触れて、そのやわっこさに泣きそうになる。
耐えがたい。思わず、そっと背中に添えていただけの腕に力がこもる。
「・・・もっと」
「・・・『土方さんはどうしようもない』?」
「違う。こっち」
いまこの瞬間のように、土方さんは。
体温を、体重を、きっとほかに目に見えないなにかを、断りもなく押しつけてきて、こうやって勝手に俺の心の平穏を踏み荒らして、そのくせ一分後には知らん顔をするんだ。
背骨が軋む音がした。
あろうことか俺は、応えるのも罵倒するのも忘れて、それに浸った。