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日曜日

ガンダムは三話で挫折しそうです。

折り畳みで小話ですハロイン。もう潜っているUさんへ捧ぐ。



まるく膨らんだ布団をめくったら山崎がいた。
そう認識した直後に足が動いた。反射だ。ぼすんと鈍い音がする。
ぐふ、と身をよじらせた山崎ががばりと身を起こす。
「……一体なにが!?」こっちが聞きてーよアホ。

「おいテメ山崎誰に断わってここで寝てんだオラ」
「やめてくださいやめてください煙草を押し付けないでください」
「ああ!?押し付けてねーだろ人聞き悪ぃな望み通りにしてやろうか」
「機嫌悪っ。あ、なるほど沖田さんかと思いましたか残念俺です……」

むぐむぐとあくびを噛み殺す冴えない男にもう一回蹴りをお見舞いする。「イテッ」とかん高い悲鳴がさらに苛立ちを増幅させた。
とっとと追い出すかその前に殴るか、と思案した刹那、俺の背後すなわち部屋の出入り口付近によく知る気配が。
案の定、断りもなくすぱんと障子が開いた。

「土方さーんトリックオアトリートぉ」
「……。」
「あ。コリャまた失礼お取り込み中かィ」
「お前な」
「すいやせん全然気づきやせんでした土方さんと山崎がそんな関係だったなんて……不潔!不純!俺というものがありながら!あんなに優しくアイシテルって囁いてベイブリッジの上で抱きしめてくれた夜はなんだったんでィ」
「沖田さん誤解です俺と副長は割り切った関係ですいわば俺は日陰の存在」
「『お前には弱ぇところも見せられるぜ……』とかいっていいようにされてんだろィまったくいいご身分だ!それ誰にでもいってんだぜィ騙されんなよ」
「うわっ最低ですね副長」
「よーしお前らそこに直れちょっと俺の気がすむまで殴らせろ」

やでィとちょこんと正座(推定)した総悟の姿形は白い塊だ。
当社比二倍の奇怪さだった。
頭からかぶったシーツには視界を確保するためのふたつの覗き穴があり、体の中央には黒マジックででかでかと「仮装」と書いてある。見りゃわかる。

「で?」
「びっくりしましたかィ」
「あーしたした」
「俺は上官命令という名の理不尽な強制力でここに寝かされていただけなんで責めないでください」
「俺という権力に屈してやすやす首を縦に振った時点で同罪でさァ侍としての矜持がなっちゃいねえ。土方さんやっちまってくだせェ」
「ええっ!恐怖に震えながらヤニくさい布団で一夜を明かすとか罰ゲームとしかいいようがない所業に耐えたというのにこれ以上俺を辛い目に遭わせる気ですか沖田さんあんた鬼だ!鬼は副長か!悪魔!」
「今日の俺は白い悪魔でィ」
「あーそれ悪魔でしたか。雑なコスプレですね」
「お前ら俺の部屋でいつまで楽しくだべってるつもりだ?疲れてんだよいいかげん、」
「そういや副長昨夜はどちらでお休みで?」
「……あ?」

止まった。
山崎がぺらぺらぺーらと「いやー副長が自室に戻ってきた時点で俺の任務完了だったんですがね結局朝この時までご不在だったわけで。」とまくしたてる。

「土方さんなら俺の隣で寝てたぜィ」
「え?」
「……。」

無言で。シーツの下の後頭部らへんをひっぱたく。
「なにすんでィ」菓子のひとつくらいやるからどうぞ、いたずらすんのも程ほどで頼む。



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