無題

総悟を合コンにつれてったらさんざんだったらしい、て話を聞いた。近藤さんから。

「総悟はあれだろ、まだ十五になったばっかだし。レディーに対する扱いってやつがわかってなくて口が悪ぃからなあ。ババアとかブスとかぽんぽん言うから、最初はにこにこ聞いてた女の子たちも怒って帰っちゃったんだってさ」
「バカだな」
「はは。まあこういう失敗を重ねて男は大人になっていくんだ」
「大人になる前に女に刺されて死ぬんじゃねーの」
「トシがこの歳まで存命なんだから大丈夫だろう」
「どういう意味だ」
「おっそろそろ飯だな」

急いで帰ろう俺は腹が減った、と近藤さんがキリッとした顔で言う。

「……今日は外で食わね？」
「なんでだ。今日の昼メニューはカツ煮定食だし午後イチで来客あるだろ」
「あーそーだな」

しかたなしに屯所に戻った。
食堂では「沖田の合コン参加費用を副長が全額負担した」という話に花が咲いていた。
だって仕方ねえだろあいつ薄給だしへんなとっから借金されるよか俺が肩代わりしたほうが妥当だという俺のいいわけは近藤さんの「トシはバカだな」と一言で片づけられた。