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火曜日

今日食べたうどんがおいしくなくって衝撃だった。
「うどんにまずいものなし」という常識が音を立てて崩れ去った・・・とりあえずアルデンテだったのが許せない。茹でろ。

折り畳みで小話です。



山崎が田舎に帰って稼業を継ぐという話をしたら、それまで緩慢に船を漕いでいた丸い頭がぶわっと振りかぶって俺の方を向いた。

「なんで。うちって抜けたら切腹なんじゃねえんですかィ」
「いつの話だよ」

所帯も大きくなってきたことだし、職を辞するがために腹を切るだ首を落とすだなんてえのは非文化的だというお叱りも受けたしで、とっくに過去の遺物になったのだ。法度。
言った筈だ。いや知らない筈ないだろちゃんと勉強会開いて教えたよなあだってお前隊長よ?と耳を引っ張ってけんけんちくちくいう俺の言葉を「山崎いなくなっちゃうの、いつ?」と華麗に薙ぎ払う総悟。
俺はついでに耳たぶを(せめて)噛んで、「来月」と答えてやる。

「すぐじゃん。ひでえの」

総悟が泣いた。ちょっとだけ、確かに。
え、なにお前そんなに仲良かったの・・・と嘘だろ。と若干引いた俺は、その日は無体を強いる悪代官ごっこに興じることもなく、手を握ってすやすや一緒に眠りについたのだ。って眠れるか。



次の朝、よりによって部屋から出て一番最初に出会ったのは山崎だった。

「昨夜はよくお休みになられましたか」

後ろ暗いことがあると八つ当たりをしたくなるのは弱さゆえだろう。俺は無駄に威圧的になり、睨みを利かせる。俺の布団ではまだ寝穢さに定評のある総悟がお休み中だ。

「・・・総悟が」
「ああ、今日はまだ食堂には見えてませんよ。お部屋じゃないですかね呼んできましょうか」
「いや、いい。そうじゃなく」

総悟はお前がいなくなるのを悲しんでいたようだ、ということをかいつまんで話すと、今度は山崎が泣いた。

「おいおい、なんだお前・・・」
「だって。あの冷血漢の宇宙人のろくでなしが俺のために涙を流してくれただなんて。」

俺はどうもできずに立ち尽くす。
そうこうしているうちに、屯所の暇人が次から次へと通りかかっては俺を悪者扱いするのだ、これが。
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