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土曜日

たのしそうな企画やってますね!

ところで御用納めでも合ってるんじゃねえのかい・・・※「御用改め」となると副長の出番ですが。
ヨカッタいいまつがえの末に後ろ指をさされたかわいそうなお局職員はいなかったんだね。

折り畳みで小話です。




二週間分のスケジュールを記入したら次の人へ回覧してください。
クリップボードに貼り付けられたその注意書きのメモと、途中まで書き込まれたスケジュール表になんとなく目を通しながら廊下を歩いていると、ちょうど沖田さんが柱の角から現れた。
スケジュール表に沖田さんが書き入れた痕跡はない。「沖田さん、これ」差し出すと、受け取り拒否された。なにがいらねーもんだかわいい声出したってだめだ。
「や、ふざけてないで。ちゃんと受け取って確認してください」
「いいよ適当に書いといて」
「あんたの予定を俺が知りますか。ほら、幹部で未記入なのはあと原田さんと沖田さんだけですよ」
「なんだじゃーまだいいじゃん」
「原田さんは今日出番でしょうが。いいからつべこべ言わず受け取ってください明日までなんですから」
「うん」
毎週木曜日に取りまとめて金曜日に完成版を掲示板に貼り出している。
こうやって理由もなくだらだらと先延ばしにする輩がいつから事務方はいつもカリカリしてねばならんのです。
そして二秒くらいクリップボードを見つめたあと、戸惑いなく名前のチェック欄に大きくマルをつけた。
それ以外は二週間、まるっと白紙。予定なし。
「・・・あれ。来週水曜は副長の登城のお伴しなきゃいけないんじゃなかったですっけ」
聞いているのかいないのか、んじゃよろしくーなんて沖田さんはひらひら手を振っていなくなる。



沖田さんの欄は白紙だ。
あいかわらず「沖田」と名前は載せたままだ。
もうずっと勤務実績がないのにこうして形だけ残していることに、最初は不自然さを感じていたけれど、この頃はどうも思わなくなった。
そのうち、名前を消したって誰も気付かなくなるかもねなんて想像して一人笑う。自己嫌悪。

「仕事のことは気にしなくていい。とにかく身体をゆっくり休めることが先だ」局長が言った。
「働き過ぎやしたかねえ。せいぜいゆっくりさせてもらいやす」沖田さんは笑ってた。副長は苦い顔だった。
「どうする?」一年とちょっと経った頃、副長が言った。局長はいなかった。
「もう使い物にならねえことぐらい自分が一番わかってやすよ」そのときも沖田さんは笑ってた。

木曜日がきて、金曜日がくる。
部屋に籠ることが多くなっていた沖田さんの姿を見かけることはめったになくなって、徐々に仲間の与太話からも沖田さんの名前が聞こえなくなって、そのうちとうとう、屯所からいなくなってしまった。

「消しておけ」副長が、スケジュール表を放り投げながら言った。沖田さんの名前に斜線が引いてある。
「どういうことですか」
「お前が知る必要があるか?」
返事はノーだ。
俺はスケジュール表を黙って拾い上げてクリップボードに挟み直す。
あんたの、あんたらの考えてることなんて知る由もないよちくしょうと毒づいて、俺はこっそり探る段取りを考えた。
俺はあの憎らしい年下のことが案外嫌いじゃなかったのだ。
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