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月曜日

ジャンプ:新ぱっつぁんの株が天井知らず


このところ職場にお弁当を持っていってるの
中身:キャベツと鰹節とラップで包んだ米+粉末コーンスープ
弁当箱は蓋で隠して食べています。見た目がとっても残飯だから。
つーか弁当箱じゃなくてジップロックだからね。そのへんが更にコレジャナイ感を醸し出している。もうイヤだ普通においしいもんが食べたい


折り畳みで小話です。御園様のリクエスト・・・のような気がする。たぶん。

近藤さんは善人の顔をしたまま夫になり、父になり、そしてあっさり局長の座を捨てた。
『お前たちになら安心してあとを任せられるよ』
その耳触りのいい言葉を聞いたとき、俺は殴りかかりそうになるのを堪えてひたすら黙っていた。
近藤さんはまっすぐ土方さんを見据えて、俺がなにを思っていたかだなんて、気にかけちゃいなかっただろうけど。



赤く塗られた室内は特別目新しいものでなく、だからといって慣れ親しんで安らぐわってものでもない。
敵味方含めすべて外へ出され、現場検証のための監察の到着を待っている時だった。ふいに腕が重くなった。
刀を。
滑る刀を、落としそうになったのは急に、持つ意味がわからなくなったからだ。

煙草の匂いが鼻をくすぐる。
生臭い血よりも遥かに不快なそれに眉を顰めて一時息を止めた。

「ご苦労」

労いというよりも他に適当な言葉を知らない朴念仁が、俺の横をすり抜けてさっきまで人が纏めて転がされていた畳の方へ足を進める。
さすがに火気厳禁の現場で一服するほど耄碌しちゃあいないらしいが、だからといって褒めるようなことでもない。

「・・・『局長』自らご足労いただくなんて光栄だなァ」

平坦な声が室内に響く。
鼻で笑ったその人は、いつものように聞き流しておわりかと思ったのに、わざわざ向き直って俺を見据えた。「なあ」

「いい加減現実を見ろ。いくらてめえが駄々こねたって、あの人は戻らねえよ。・・・ファンクラブは解散したんだ」
「―――。侮辱するんですかィ」
「さあなぁ。俺も同じ穴の狢だからなんとも言えねえが」

挑発する物言いのわりに表情は穏やかで、俺はどうすればいいかわからなくなる。

近藤さんは象徴だった。夢とか希望とか、正義とか、そういうものの。
だからこそ、心底慕っていた連中はすっと夢から醒めたみたいに、近藤さんの脱退を機にどんどん辞めていった。
裏切られた、あの人がいたからこそどんな理不尽にも耐えてきたのにと罵って憎んで去っていった者もいた。

「隊長あんたは悔しくないんですか。」何人もの仲間にそう訊かれた。
悔しいに決まっている。
俺はずっと近藤さんの力になりたかった。近藤さんの傍で近藤さんを支えるために生きていけたらってずっと子供の頃から望んでいて。ずっと、

(あんたのために ころしてきた のに)

それは口にしちゃいけない言葉だ。
近藤さんのためだけど近藤さんのせいじゃなくて、そんなわけない、おれはちゃんと自分で考えて自分で決めてきたんだから、だから違う絶対そんな理由で、

「沖田総悟。」

呼ばれた。

「今の局長は誰だ」
「・・・・・・不本意ですが、あなたでしょう」
「そうだ。お前は局長命令に従ってりゃそれでいい」
「随分じゃねえですか、そんなん俺が、」
「てめえが納得しようがしまいがいいんだよ。お前の正義は俺が決めてやる。伊達に何年も近藤さんの傍にいたわけじゃねえ、思想も、信念も理解してきた。お前の望む正義からそこまで遠くねえはずだ」

そんな簡単なもんじゃねえよと言い返す筈が、できなかった。
俺は縋るものが欲しかった。

「・・・・・・だから、しっかりしろ、総悟。」

頼むから、と言った土方さんの手の甲が、目の際をなぞった。
瞬きすると世界が歪んだ。
歪んだ世界がひとつ、ふたつと零れて、頬を濡らしてって、ああ泣いてるなと気付いた。

「土方さん」

思えばこの名前を呼ぶのも久しぶりだ。
近藤さんがいなくなって、近藤さんを責めることもせず言われるがまま局長に収まったこの人のことを、認めたくなんてなかったから。

土方さん、と呼べばいつでもこたえてくれるのに。

「俺は。自分の正義がちゃんとあるんです。だからあんたの言いなりなんて御免でさァ」
「それならそれでいいよ」
「でも貸しておいてくだせェ。今、どっかに忘れてきちまってるから」

仕方ねえなと土方さんは言う。
仕方ねえでしょうと俺は返す。

血の匂いは変わらない。
だのにそれを掻き消すみたいな煙草の匂いが途端に近しく感じる。ばかばかしい、なにが変わったわけでもないのにと、なんだかおかしかった。
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