水曜日 トコロテンと梨ばっか食べてるとさすがに栄養的にまずい気がして豚肉をせっせとメニューに加えている。 このところ疲れやすかったのもきっとビタミンBが不足してたせいであろう。これで解消!(きっと) 折り畳みで小話です。 腕のいいのがいるな、としばらく眺めていたら、後ろから忍びよってきた監察がそっと耳打ちした。「あれが沖田総悟ですよ。ほら、例の当馬家の・・・」 今年の入隊志願者の中に一人、変わったのがいるとは聞いていた。 老舗の縮緬問屋を営む当馬家当主の、義理の弟。 匿名の告発により攘夷浪士との繋がりを疑われて、ここ半年で急激に経営が傾き、百二十年の商いをあっけなく手放したという。 奉公人は気持ちばかりの退職金を手に解雇されたと聞いているが、経営に関わっていた当主はじめ、その身内がどうなったのかがさっぱり知れない。 一時は興味本位のマスコミが、こぞってその行方を追っていた。 しかし時の人となったのは一瞬で、年度も変わろうとしている今では、「そういえばそんなのもあったなあ」くらいのものだろう。少なくとも、近藤さんは頓着しているようすがない。 結局、攘夷浪士との関係を否定できる証拠はなかった。 だが、確実に関係があると証明できるものもなく、右往左往しているうちにこの件は、当馬家の歴史とともに幕をおろしたということになった。 近藤さんが、書類で撥ねるにはあまりにも惜しい腕だというから、形だけでも実技試験代わりの稽古に参加させていた。 なにか理由をつけて落とすつもりだったから、結果的にはまずいことになった。 沖田は文句のつけようがなかった。体格の割りに、剣を持て余したりもしない。動きに無駄がないのだ。これが天性のものか、と素直に感心した。 結局俺は、沖田の入隊を許可した。正確には、まだ試用期間としてという条件付きだったが。 事情はそこそこ知れていて、沖田の素性を危惧する隊士には、「だからこそしばらく手元に置いて、見極める必要がある」と言って黙らせた。 それも紛れもない本音だった。 四日程経過した晩に、沖田と寝た。 布団に押し倒された沖田がきょとんとして、「これも試験の一環ですかィ」と聞いてきたのは傑作だった。 俺は自分が思うより随分軽率だ。 まわりに言わせれば俺は用意周到らしいからつくづく、自己イメージと他者評価というのは合致しない。 PR