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日曜日

実家の犬が箱に鼻つっこんでハフハフしていたので「そうかいそうかい箱に入りたいんかい どれ」と中型犬のずっしりした胴体を持ち上げて箱に収納してみました。
すると当の犬は、さっきまでのウキウキ状態はどこへやら、 なにしてくれてんだよ・・・ とでも言いたげなテンションダウンした表情に様変わり。マジ遺憾なんですけど。


折り畳みで小話です。


お前が来るとあの花は咲くんだと、土方さんは言って、そして庭のほうを指差した。
骨張った枝。そのところどころ、薄紅のつぼみが綻んでいる。

「あたたかくなったからでしょう」
「まだ寒い」

裸の腕が伸びてきて、背骨が軋むくらいに強く抱きしめられる。

痛い、と言ったら少し緩められたけど、代わりとばかりに膝の上に頭を載せてくつろぎ始めた。
久しぶりなんだから許せ、と言って目を閉じる土方さんの、短く揃えた髪の毛に指を埋めながら俺は、「やっぱり綺麗な背中だなあ」とどうにも不誠実なことを考えている。
肩も、腕も、かつてのようにとは言えないにせよ、鍛えているのがわかる美しい流れをしている。
ほっとした。
昨夜、隣り合って敷いた布団の境界を越えて来られた時よりも、もっと。

土方さんはもう追い掛けて俺を叱ってくれたりしない。俺を置いて先に先にと行くこともない。
そのことを、一瞬でも嬉しいと思ってしまった自分を自分で軽蔑して俺は、ずっと、この人に会いに来るのを避けていた。
土方さんが、見舞いのひとつもないと人伝に詰るのを聞いて、きっかけを得たように思った。
「薄情者だ」と出会いがしらに笑われて、勝手に許されたような気になって。
そして昨晩で三度目。ここで夜を越すのは初めてだったけど、まるで違和感がなくて、かえって拍子抜けしてしまった。


季節に関係なく、咲くのだと。
土方さんが言うにはそうらしい。一年に何度も、気まぐれに。夏の暑さにやられて萎れても、一見朽ちたかのように見えても、俺が来るたび素知らぬ顔で咲く。

「お前のことが好きなんだろうな」
「まさか。ばかなこと言いなさんな、草木に好かれたって嬉しかねえですよ」
「そうじゃなくて」

花弁がひとひら、雨戸の隙間から舞い込んできた。
それをぱくりと飲みこんだ。
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