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木曜日

あにたま:あんぱんに絡めるたびに「もうやめたげてよォ!」て気分になる。
そんな私の十代の時のバイト先はデイリーヤマザ●です。


折り畳みで小話です。
元ネタはどっかの新聞に投稿された小学生の詩だったような。
ベルの音がわんわん響いてうるさくて、なんだよようやく眠りについたとこだったのにと俺はのろのろ受話器をとった。
あまりの音に、誰か起きてくるんじゃないかと思ったけれど、あたりはしんと静まり返ったままだった。

「もしもし土方さんですか」
電話越しの総悟の声はいつも少しよそゆきで、俺はいつも、ひといき置かないと笑いそうになるのだ。
「もしもし」
「聞こえてる」
「調子はどうですか」
「まあまあだな」
「またまた。強がっちゃってェ。土方さんが泣き暮らしてると思ってかけてあげたのに」
「うん」
「怒った?」
「怒ってない」
「でもちょっとは怒ってる?」
「・・・うん」
空気が震えた。
俺の体温がうつってしまった受話器をぎゅっと握りしめる、力の限り。強く。
「だって、あんたなかなか寝ないから、夢に出てくることもかなわないでしょう」
「それにしたって遅すぎだ、ばか。」
「そんくらい怒ってるくらいでいいや。あんたはちゃんといつでも、強がってないと駄目ですぜ。」
じゃあ十円ないので、なんて言って、切ろうとするから引き止める。
なにかもっと、言いたいこととか聞きたいこととか。あるはずなのに、やっぱり、浮かばないんだ。
そりゃあそうだ、今までだって腐るほど時間はあって、飽きるくらい一緒にいたんだから今更気取った言葉なんて出てくるはずがなかったんだ。
なにか話せと強請った。
苦し紛れだったけど総悟はすこし考えるみたいに間をおいて、切りだした。
「ではお願いがすこし。いいですか」
「なんだ」
「土方さんはお供え物のセンスがねえ。甘い菓子ばっかじゃなく、しょっぱいもんも欲しい。」
「そりゃ悪かったな」
「それとね、明日で一年だ」
「覚えてるよ」
「明日過ぎたら、忘れていいよ」
「ばか」
「お願い。さよなら。」
あっけなくぶつんと切れて、俺はまた静けさの中に取り残される。
やっぱり自分勝手な奴だ。ひどい奴。性悪なんてもんじゃない、あれは。
あおむけに倒れこんで目をつぶる。
脳内であらん限りの罵詈雑言を吐きながら、俺は久々に深く眠れそうな気がしていた。
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