金曜日 肉豆腐つくった。煮汁が濁った。ナンデ?酢、入れたのがよくなかった? 今日とうとつに銀沖気分だったので折り畳みで小話です。つきあってる銀沖。 「なあそーちゃん」 「なんです」 「もしかして、土方のこと好きなんじゃない?」 あと二センチくらい残っていた牛乳の紙パックに口付けて、飲もうかどうか迷っていた沖田くんに問いかける。 ぱちくりと。あっけにとられた表情のまま傾ける紙パックが危うくて、俺は咄嗟に救出する。低温殺菌60度まろやか仕立、賞味期限は今日いっぱい。 「・・・俺と旦那って、恋人同士じゃなかったんですかィ」 「恋人だよね」 「よかった。」 ヘンなこと言わねーでくだせえよなんて背中にこつんとおでこがぶつかって。かわいいね沖田くん君たまに本気でかわいいことするよね。 「別に本気で疑ったとかじゃないのよ、なんつーの?ほら、君ら二人、異常に仲悪いじゃない?顔合わせれば罵詈雑言の殴り合いでしょ?そんな真っ向からぶつかって消耗するよりスルーすればいい話だからさー。おやおや逆に意識してんの?実はなんかある?とか妙な想像しちゃったわけよ。めんご」 「それ言ったら旦那と土方さんもなんかないとオカシイってことになりやすぜ」 「ごめんなさい勘弁して」 「まあ、土方さんの顔と体は好みですけどねェ」 「・・・ハイ?」 「それだけでさァ」 いやいやさらっと流さないでいただきたい。からだ?だから? 俺は年甲斐もなく、平静を取り繕うのを忘れて「やったの?」ときいた。「やってねーです」安心した。 「生活態度が好みじゃないんでさァ」 「むずかしいこというなあ」 「たしか今は、22歳元モデルと付き合ってるらしいですぜ。ここ数年ばかし、女の噂が途切れたことねーんです。自分じゃモテないとか続かないとか自虐風自慢してやすけど」 「あっらーまあまあ」 「土方さんいつでも人のもんなんでさァ。俺不倫もリャクダツも趣味じゃねーですし。だから、俺が狙うとか奪うとか、旦那から乗り換えるとかそういうことは絶対あり得ないんで、信じてくだせェ」 「え。ありがとう。なんかごめんね」 「なんで謝るんですかィ」 「そんなに俺のことを愛させてしまったことに・・・かな」 「旦那カッコイイ」 「・・・・・・。」 実は嘘だ。なにが嘘かって、土方君に女がいるってことが。だってその噂流してんの俺だもん。脈々。 フリーだってことは黙っておこう。むしろ新しく女の子紹介してもいい。それくらいしてもいい。それなら嘘じゃなくなるし。 「旦那ー牛乳飲んじゃっていいですかィ」 もちろん、と答える。 ぜんぜん信じてくれないかもだけど、俺は意外と君のことが好き。 PR