土曜日 来週出張なのでいろいろやらねばならんのだった・・・折り畳みで小話です。 「くちべに?」俺の枕元に転がっていたらしいそれを拾い上げて土方さんが首を傾げていた。「あ、スティック糊か。」そして一人で訂正して納得している。にじりよって奪ったついでにその右腕に凭れかかる。ぶらさがる。「なんだよ」「補給」「ばかだな」ほらやっぱり、やさしい。ひさびさに会うんだから当然だ。目に入れても痛くないって感じに甘やかしてくれていい。じゃないと半年我慢していた甲斐がないじゃないか。さて続いて俺は、煙草くせーなーと笑顔でなじりながら頭を肩に押し付ける。角度からいって俺の表情など知るよしない土方さんは、ちょっと傷ついたような拗ねたように唸ってる。「ちなみにそれは口紅でもスティック糊でもなくリップクリームですぜ」「そんなん使ってんの?」「くちのはし、切れるんで」「ああ…お前むこういた時もたびたび唇切れたーてぼやいてたもんな」「こっちはさらに空気乾燥してっから、必需品でさァ。気付いたら流血しててみっともねえったら」「そうか。んじゃ買い出しのとき俺の分も買いに行かねーと」「俺の使えばいーじゃん」「今日はそれでよくても、すぐなくなっちまうだろ二人で使うんだから」そうですね。きょうからは二人なのだ。遅ればせながらってかんじで土方さんまで真っ赤になってもう収集がつかない!刀を捨ててもなんとかなっちゃうなんて思わなかったでしょう?あの頃は想像できなかった暮らしが今日からやっとはじまった。 PR