日曜日 タイガー&キャットのミルミルを毎日欠かさず飲んでる方、木綿です☆(それっぽく言ってみました)常温で持ち帰って一日放置したあとに冷蔵庫で冷やしておいた未開封のミルミルがありまして、さっきおもむろに取り出してストローぶっこんで啜ったら、なんか違う液体になってた。ミルミルこんなとろみついてなかった絶対ものっすごく心配になったのでオリゴ糖(心の支えにするため常備)を混ぜたヨーグルトをかっこんで中和をはかっているところです。先日レタスを放置して黒く溶かしかけたのも記憶に新しいってのになぜ私は懲りずに常温保存してしまうのか。狭いからだ。そりゃ仕方ないっすね。コマドリのように不安に胸を震わせようと思います。おっかねーんだからな乳製品にあたると。折り畳みで小話です。先週(今週?)の本誌ネタで、「もし沖田があの場にいなかったら」です。夏なので思いきって作風を変えてみましたの。 沖田総悟が朝食のため足を運んだ食堂でまず目に飛び込んできたのは、むっくりと固太りした、見慣れない男の姿だった。新入りだろうか。沖田はたいして気にもせず、注文カウンター横のトレイを取りに向かう。なんせこのところ新規入隊者は増える一方だ。先月のことだったか。「真選組の若手にカメラが密着!」というテーマで特集をしたいと、テレビ局から取材の申込みがあった。命懸けで任務に取り組む様を映してもらえればうちのイメージアップに繋がる、ついでに女子アナともお近づきになれるかもしれない、という理由から、近藤も大いに乗り気になり、ひたつ返事で引き受けたのだが。取材の数日後、いざ放送された番組を観てみると、こちらの予想とはかなりかけ離れたものに仕上がっていた。普段の業務内容について説明した部分はすべてカットされ、何番隊所属の誰それのチャームポイントだの、好きな食べ物だのといった、およそ仕事とは関係のないシーンを面白おかしく取り上げられていた。まるでアイドル扱いである。当然、真選組一の二枚目と名高い土方については特に長く尺を割かれていた。傍若無人なリポーターに恋人の有無を問われて、「どうでしょうね」などと苦笑いをする土方の姿は悔しいかな、腹が立つほど様になっており、沖田は放映されたVTRを眺めながら、思わず拳を握りしめたものだった。(別に、俺のことコイビトだなんて公言してほしいってわけじゃないんでィ)ただ、不安なのだった。事実上恋仲であるといっても憚りない関係のはずだ。なんせ沖田は、昨晩も土方の部屋で激しく愛し合ったばかりである。しかしそれは暗黙の了解で、二人だけの秘め事としている。表向きには、土方は独身で現在フリーということになっている。それ故に、土方には見合いの話が引っ切り無しに舞い込むし、街を歩けば色っぽい女性から誘いの声がかかる。土方宛ての恋文を託されたのだって、一度や二度じゃない。はあ、と思わず深いため息をつく。それを聞きつけたのか、ちょうど通りかかった山崎が心配そうな顔で沖田に駆け寄った。「おはようございます沖田さん。どうしたんです朝から溜息なんてついちゃって。お顔の色が優れないようですが」「別になんでもねーよ」「オレ、代わりに沖田さんの分の飯取ってきますよ!座っててください」「いや、ほんとに…」その時。ふと、聞きなれたバリトンボイスが聞こえた気がして、足を止めた。(まさか、土方さん?)土方は普段、朝食を摂ることはない。朝は固形物を受け付けないとかで、いつもミネラル・ウォーターと煙草だけという不摂生なスタイルを貫いている。早死にしやすぜ、とからかい半分で言ったことがある。そうじゃなくても不規則で、体に負担のかかる仕事なのだ。ヘビースモーカーなうえ重度のマヨラー、更に睡眠時間だって十分にとれているとは言い難い。その時は、「お前が素直に心配してくれるなんて雪でも降るんじゃないか」などとまぜっかえされた。結局、頬を膨らませて拗ねた沖田の機嫌をとるために、土方はあれこれ手を尽くしたのだった。声の主は、やはり土方であった。ただし食事をしている様子はなく、なにやら忙しく、例の図体のでかい男に指示をしているようだった。「副長も次から次へと大変ですよねぇ。ま、彼が仕事に慣れてくれれば、今よりはマシになるんじゃないですか」沖田の視線の先をみとめて、さかんに頷きながら山崎が言った。「ふん。あの野郎はいっつも大変そうにしてるだけでィ」「はは。さすが沖田さん、副長には容赦ないですね。あ、でもダメですよ副長はともかく小姓さんにちょっかい出しちゃ。カレ、なんでもお偉いさん絡みらしいですし…」「コショウ、って?」「え?だから、副長の近くにいる…あ、ええっ?沖田さんはご存知なかったんですか!?」「は?」「参ったなあ、とっくに耳にはいってるものだとばかり思ってたのに…」「なにぶつぶつ言ってんでィ」「いやあの、俺の口から言っていいものかどうか」「お前が言えねぇってんならアレコレの手管つかって他の奴の口を割らせるだけでさァ」「うわわ、言います言います!もう…沖田さんにはかなわないなあ」そんなことになったら副長にギッタギタにされちゃうよ、と呟いた声はあまりにささやかだったため、沖田の耳には届かなかった。山崎いわく、今日から土方には、念願だった小姓がつくということだ。「つまりは、身の回りのことをいろいろしてくれる、お手伝いさんみたいなもんですよ。ここんとこ忙しかったですしね、なんとかしてくれって上に要請出してたみたいですよ」山崎の声がふっと遠くに聞こえた気がした。「沖田さん?」「…土方のくせにナマイキでィ」膝が震えるのを隠すように、沖田は食堂を飛び出した。(なにもいってくれなかった)いくら夜を共にしても。土方から泣き事ひとつ聞いたことがないということに今更気付いて、沖田は愕然とした。自分では土方の支えにはなれない。まるで啓示のように浮んだその事実が、沖田の心に濃い影を落とす。【第一部・終わり】 PR