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木曜日

風邪ひきました。これみよがしにポカリ飲んでみましたがポカリおいしいです。
あー
通りすがりの親切な紳士が見舞金だよって二万円くらい包んでくれないかな。とか思いました。


折り畳みで小話です。たぶんひと月くらい早いネタ。


そういえばイベントっぽいことに興味が薄いふたりだから、誕生日だってクリスマスだってお互いになにをするってこともなく。
できちゃったの、となにかの選択を迫ることもできない俺は果たしてこの人の人生にいつまで大きな顔して恋人面していられんでしょうねと不安なのです。

「だからといって、なにかをするでなし」
「なんか言ったか?」
「おかえりー、っていいやした」
「お前は真顔で嘘つくよな」
「早かったですねェ。パチスロ?」
「コンビニ行ってくる、つったろうがお前ほんとに俺の話きいてないよな」
「数秒のうちに二度も俺のことわかったような発言。控えてくだせーよそういうの」

真顔で糾弾、する俺の額になにやら、しんと冷たいものが当たる。

「はて?」
「やるよ」

チョコレートだ。スーパーでたまに88円で売ってる茶色い包みに金色の文字でメーカー名が書かれたスタンダードな。

「パチスロ?」
「だぁからコンビニ。」

土方さんはなにやら、いままでパチスロって二回しか行ったことないんだけど、とぼやいている。そうだっけ。
だって景品かと思うじゃないか。

「バレンタインにはまだ早いと思うのダーリン」
「前倒しだよハニー、とかゆわすなアホ」
「せこい!チョコ一枚でお茶にごすつもりだこのひと!」
「べっつにお前がハイって言うならプラチナリングでも温泉宿の離れ一泊でも都合つけるよ」
「アクセ禁止だし来月中旬しごとだからムリー」
「これだよ」

土方さんの不機嫌そうな顔を見るとぞくぞくする。ただでさえ二枚目なのに怖いくらいに色っぽくなる。
この人が同業者じゃなくて良かった。
視線奪われて仕事になんないとかしゃれになんない。

「たとえば俺とお前が別れたとしてさ」
「え。」

なにそれやだ、と思わず取り乱すところだった。
土方さんは笑顔。あわてない。

「コンビニとかスーパーとかで必ず並んでるだろそれ。見るたびにお前は俺のことを思い出すんだ。あーこれ土方さんからもらったなって。喧嘩もしたけどあんないい男いなかった、別れなきゃよかった、って」
「・・・・・・じゃあ俺マヨネーズ買ってこなきゃ」
「うれしいけどそれは今度でいいわ」

愛も確認できたし、とはずいぶん寒いことをおっしゃいますね。けど似合う。
部屋んなかでだけ恋人になれる土方さんと俺は、きょうもとってもなかよし。
 

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