金曜日 私の上着についているフェイクファーがあまりにも総悟なので通勤中悲しい想像が止まらない。 丹精込めて育てているハーブだか盆栽だかが結構な頻度で荒らされている今日この頃、主人の土方さんは「やろう どこのどいつか知らねえが見つけたらとっちめてやる」とイライラむかむかしてるんですよ。 総悟は、まったく土方さんはちのけが多いなァ、と黄粉棒食べたりぼんたんアメ食べたりパラフィン紙を喉に張り付けて苦しんだりして傍観してるわけです。 そうだ 取りモチ しよう 思いついた土方さんは、さっそく三河屋的存在に依頼発注納品して貰い、鉢の並びに仕掛けます。ベタベタしたやつ。 しばらくは音沙汰なく、だめか・・・と諦めかけた頃だった。 鉢を置いてあるあたりからガシャーンガラガラと賑やかな音が! ハンター・チャンス!と思って駆けつける土方さん! しかし現場には、にっくき犯人の姿はない!逃げられたか!? 肩を落としながら現場をぬきあしさしあしする土方は、ふと、白っぽい綿毛のようなものが取りモチにひっかかっているのを発見する。 「・・・・・・冬毛、だと・・・!?」 ここでぴょこたんと扉から顔をのぞかせる小動物。あわれよの。 「あれえさわがしいとおもったら土方さんだったんですかィ」 「・・・総悟、お前だったのか・・・」 「んな?なんでィ」 「鉢荒らしの犯人に決まってんだろ。こりゃあなんだ?こんなふわふわした証拠残して」 「!?だ、だっていっつもぬけるんでさァしかたねえだろィ・・・」 「じゃあこれは?お前の指にくっついてる、ベタベタしたモンはなんだ?」 「こ、これはさっきくってたバターキャラメルでさァ」 「しらじらしい言い逃れすんじゃねえよ!きのうスーパーでそんなん買った覚えはねえぞ!」 知らない人(善意の第三者)から貰った、というと怒られるので黙りこむけもたん。 むっすりしたのをふてくされたと勘違いした土方はん、更にヒートアップ。大人ってね、もともと子供だったんだよ・・・(?) 「出てけよ。嘘つきは嫌いだ」 「・・・・・・おれじゃねえ」 「正直に言えよ。そしたら許してやる」 「おれじゃねえ、っていってるのに!!」 「っ、総悟!?」 やだようこんな土方さん絶交でさァ!!(←感情移入now!) それはそうとして、土方さんもシュタタタタと山へとかけていくちっさな後ろ姿とまるまるしっぽを見て、ようやく自分がいかに冷静じゃなかったか、どれだけひどいことを言ったのかを自覚して、青ざめるのだった・・・ 【次回予告】 ちょっとキツく言えば、すぐ折れて、謝って、今夜は仲良くスキヤキつついてうどんで〆て明日は残りをごはんにかけて楽しんだりするはずだったのに・・・ 輝きは戻らないのか!? 土方の絶対的失態! 小動物の行方は!?一人と一匹、はかなく消えゆくひとつの愛が、そこに、あった・・・ 次回、「みゅーて鳴いたらそうだなっていってくだせえ」乞うご期待! ※当然のように嘘予告です。 PR