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水曜日

友人とルミネに行ったのですが。
吊るしてあったカーデガンをあてがって「カワイイ~これどうかな?」と尋ねたら
「井上真オに似合いそうだね」
と返されました。
前方のラックにあったワンピースをあてがって同様に「カワイイ~(以下同)」
→「井上真オが着てそうだね」
この辺鄙な立地のルミネに井上真オも出現しねーよって話です。なんだ?それとも私とケンカしたいだけか?ん?


ところで本日17時突然携帯電話がかつてない震え方をしてびっくりしたのは私だけではないらしいですね。職場でキョドってたの私だけだったから何事かと思ったんですよ。ついに選ばれし戦士かなにかとして覚醒しなきゃなんないのかと(また大袈裟に言うんだから)
てかなんで突然地震速報?今までも震度3くらいはよくあったのにスルーされてたじゃないですか・・・実験的な試み?


バカイザー様の妄想も弱火でコトコト煮込んでいるところですがそれはさておき折り畳みで小話です。
すみませんがバカイザー様のお話じゃないです。女子注意。
お持たせってことで、と万事屋が堂々と差し出した和紙包みの箱の中身は、総悟が前からいっかい食べてみたいのにいっつも売れ切れだとぶーたれていた、入手困難完全限定生産品、幻の水羊羹だった。

「まじですかぃすげーやこれずっと狙ってたんでさァ」
「そうなの?いやークリーム系は駄目だってきいてたからなんとなーく選んだだけなんだけど」
「外しやせんねーさすが旦那」
「うわあしかしまあつくづく冗談みたいねコレ」
「コレ呼ばわりかぃひっでえなあ」
「嘘嘘。かわいいかわいい」

お湯が沸きました、とポットが人工音声で教えてくれるのをいいことに腰をあげる。
総悟は飲まないから、緑茶の茶碗は三人分。

「本日はどうもわざわざ」
「あ、そんな土方さんほんとうにお構いなくすぐにお暇しますから!」

しきりに恐縮している万事屋の眼鏡に茶をすすめながら、なにげないふりを装って視界の端のきゃつの様子を窺う。
今更セクハラだなんだと騒ぐのはかえってみっともないから口を出すつもりはないが、ほかの男の前で乳が乳がと連呼されると正直とっても落ち着かない。

「おとうさんでちゅよ~なんつて」

手が滑った。
総悟用にと用意していたハーブティのガラスポットを割るところだった。

「あ、チビ笑ってる」
総悟てめーもそれはスルーしないでなんか言っとけバカ。
「んー美人美人」
「抱っこしやす?」
えっ。
「いや勘弁してよあかんぼってふにゃふにゃしてて怖い」
よしよし。
「もう首すわってんのになぁ」
黙れバカ総悟。

この頃は眉間に寄る皺に気付いて戻して忘れて気がつけばまた寄っていて、の繰り返しで、既にデフォルトで不機嫌な状態だ。
こんなことを思っちゃいけない。口に出したら終わりだ。負けだ。地獄だ。たぶん。

「なんだか疲れてますねえ土方さん」
「そうか?」
「うちの義兄さんみたく、どこのお宅の父親も毎日が祭!状態ではしゃいでるかと思ったんですが・・・人それぞれなんですねー」

あはは、と笑う声と表情がからっからに乾いている。正直者め。

「・・・・・・・・・・・・あの。えーと、娘さん・・・、癖っ毛なんですね。」
「ああ。」
「・・・・・・・・・とってもかわいいと思います。」
「ああ。」

たぶん眼鏡も、いっそ俺からばっさりなんでもないことみたいに言ってくれれば気が楽なのに、と思っていることだろう。

我が愛娘は、困ったことに、どこかの誰かに非常によく似ているのだ。
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