先週の話です。
有休とって出かけていた私の携帯電話に、「お休み楽しんでますか 待ち合わせた人と会えましたか 心配してます」という旨の留守電が残されていたんですが知り合いの誰でもない電話番号からだったので正直どうすればいいかわからないです。
もしや職場の方が有休中の私になにか用事があって?とか思って職場の緊急連絡網一覧で番号確認してみたけれど該当者なしでした。誰だよもう心配すんなよいいよ別に。いやほんとちょっと怖いんでこういうのやめてください助けてくださいいいからオチを!マスターこの話にオチをください!
意気揚々とジャンプ買ったのに今週ぎんたまお休みでしたね。ぬう。しかしほけがみ増量ページで嬉しかったです。人気投票は一人何枚でもいいらしいのですが本好くんが一位になったら困るので一票だけ入れたいと思います。
折り畳みで小話です。それほどでもないな。
一度目はきこえないふりをした。
二度目は笑ってごまかした。
まさか三度目があるとは思わなかった。
爆音ばかりが耳につく、ストーリーなんてあってないような映画だった。
上映前から観客はまばらで、スタッフロールが流れる頃には黒い影がひとつまたひとつ、横切っていくのが見えた。そのたびに俺も腰を浮かして、続こうかと迷った。だってここでは煙草が吸えない。
諦めたのは、じっとスクリーンを見つめたまま、隣の席の幼馴染が動かなかったから。
沈黙した横顔は文句なしに美人だ。普段の品のない笑い声も、俺を罵倒する言葉も、調子外れの歌も出てこない。
美人の姉貴に似なかったことをしきりに残念がっていたけれど、こうしてそばで見ている限り、この姉妹はよく似ていた。
こいつの姉貴、ミツバは俺の前の彼女だ。
うまくいったらこのまま一緒になるのかもしれない。そう漠然と期待していたけれど、就職を機に疎遠になって、それっきりだった。
違う。正確にはミツバからはっきりと引導を渡されたのだ。「もう続ける気がないんだったら、お友達に戻りましょう」
ようやく曲が消えて、場内の照明がおぼろにともる。意識せず、息が漏れた。
今度こそ席を立とうと椅子に手をかける。
つまんなかったな。そろそろ行くか。と、そんなことを言った。外で、なにか飲もう。腹減った?それとも帰るか、とも。
最後の提案は自分の希望だった。もうそろそろ帰りたかった。
明日の予定があるとか体調がすぐれないとか、そういうわけではなく。
だってこれ以上ここでじっとしていたらきっと。
「土方さん。」
案の定、だった。
これが三度目だ。震える声で、幼馴染は。俺に関係の変化を要求する。
「冗談にしないでくだせぇよ」言葉に詰まる。それなら、と首を横に振った。あっけない。とても簡単なことだった。
「理由を、教えてくだせぇ」
「理由?」
深刻な声色で迫られれば迫られるほど、逃げたくなった。
誠実さは、どこかになくしてしまった。たぶん十代のうちに。
「お前と、やるとするだろ」
座席で丸くなったままの肩が震えるのが見えた。
「その最中に、姉貴の名前呼ばれたら、嫌だと思わねえ?」
ひとりで残された薄暗がりで、俺はポップコーンをかぶったまま立ち尽くしていた。
そろそろ閉館だというアナウンスが遠くで聞こえた。
自分で買ったくせに、ちっとも減らしていなかったんだな、と今更気付いた。 PR