土曜日 私も池上先生に「いい質問ですねえ!」って言われたいです。 最近どうにもふざけてんじゃネーコってくらい土沖成分が足りてない日記ですみませんね。そんなんで立派な日記書きになれると思っているのか!ほっといてくださいコーチになにがわかるんですか!わかるさだって俺はお前の生き別れた兄なのだぞ(な、なんだってー) 折り畳みで小話です。 「寄せるな」 総悟の箸で引かれた椀が、かちりと震えてふちから味噌汁をほんの少しだけ撒かして汚す。 あーあ、と当の本人はどうもよそごとのよう。「減点だ」俺が宣告すればようやく自覚したようで、尖らした唇の先に箸をあてた。 「いいかげんにしてくだせえ飯がまずくなりやす」 「こっちの台詞だ」 「もう、いいから適当に言っといてくだせえよ。それであんたも楽になるし近藤さんも納得するし俺もハッピーすべて円満じゃねえですか」 「俺は誰かと違って、近藤さん騙して平然としていられるほど面の皮厚くないからな」 「どの口が言う・・・・・・」 「いいから続けろ。だから、ねぶるのもだめだって!なめるな、ってんだばか」 なんで今更こんなんしなきゃなんねーの、ってぶつくさ呟く声は空耳とする。俺の精神衛生上よろしくないから。 近藤さんが、あのでたらめな箸の使い方、どうにかしなきゃなんねえだろうなあ、って言ってたのは覚えてる。 「まあ、よそに出した時、かっこんで食ったって、あのとおり総悟はまだほんの子供だ。元気があっていいってめこぼししてもらえると思うんだけどさ」 そこからどういう流れで「というわけでトシ、指導よろしく。」という結論に落ち着いたのか、そのところの記憶が抜け落ちている。 そういうやわらかいしつけは近藤さんの得意分野で担当だろう、と思うのに。昔はともかく今は。 「もうやでさァ俺こんなんできなくていい」 再度再度の駄目出しについに総悟が癇癪を起こした。 もしもしかめよ、の箸運びは退屈だわ苦労に対する報いもないわ(実際に食事をするわけでなし)で、嫌気がさしたようだった。 「もう少しこらえろ」 「やなもんじゃやでィ。だいたい近藤さんも、これまでは食えりゃなんでもいいって放っといてくれたのになんで今更」 それはね。 どういう躾を受けたんだかって笑われるのはお前じゃないからだ、て脅すのは、さすがにできなかったので。 「それなりの食い方できるようになったら、ご褒美に寿司おごってやるよ。好きなだけ食っていい」 焦点をぼかすことにした。 「まじで」 「男に二言はねえ」 「でも寿司って箸つかわねーんじゃ」 「黙らっしゃい」 それ以降はめきめきと上達した箸使いに、もしかして図られたんじゃないだろうね、とすら勘繰った。 いまでは昔の恩も忘れて、俺の食事を批判する有様。 PR